ブランディングには二通りある。
マーケットシェアを取りに行くやり方とマーケットをつくるやり方だ。それを原田泳幸さんはフットボールゲームとフィギュアスケートの違いと言った。アップルはフィギュアスケートで、マイクロソフトはフットボールゲーム。一つのフィールドでお互いが点を取り合うゲームと観客が点数をつけるゲームの違いなのだという。
僕たちSINCE.はどう考えたってマーケットシェアをとるなんてしない。そもそもマーケットがあやふやなのだからシェアの取り合いができようもない。観客=顧客をひたすら見て、ターゲットを明確に絞って、創業者である僕の想いのありったけをぶつけることが必要だ。
僕はブランディングは経営を継続的に成長させるための効率のよい方法だと思っている。一つでも多くのブランドが成長してほしいし、その力になれたらいいと思っている。そこで提供できるものには、有形の価値と無形の価値がある。有形の価値は、戦略を立てることやネーミング、CI、映像、ウェブサイト、什器などといった戦略とクリエイティブがある。特に独自性の発見にはこだわりを持っている。無形の価値としては、課題が明確になったり、スタックしていたプロジェクトが動き出したり、プロジェクトが楽しいと思えるようになったり、スピードが上がったりといったことがある。無形の価値は有形の価値が高くてこそ成り立つもの。まずは有形の価値を磨く必要だ。
そして、なんと言っても、ブランディングとは顧客の特定が最も重要である。SINCE.の顧客は誰なのか?ブランドオーナーであることは間違いない。では、ブランドオーナーとは誰か?社長を筆頭にブランドマネージャー、ブランドにオーナーシップを持ってる人を入れてしまうとその範囲はとても広い。日本中の社長さんがSINCE.を選ばざるを得ない状況をつくらないといけない。
ブランディングカンパニーを標榜するからには、ブランディングで結果を出さなければならない。そのための議論を続ける日々である。ブランドのコアビジョンができて、顧客価値の提言が決まれば、あとは突き進むのみ。ブランディングは一日にならず。