テンション・リダクションとは、緊張状態が解けて注意力が低下し、無防備な状態になることを指す心理学用語。
ビジネスにおいては、顧客が購入を決断した直後の状態を指すことが多い。消費者にとって、商品やサービスの購入を検討している最中は、より最適な選択をしようと無意識のうちに緊張状態になる。
そして、購入を決断した瞬間に緊張の糸がほぐれ、テンション・リダクションの状態に変わる。このタイミングで他のものを薦められると、ついつい一緒買いしてしまう可能性が高まるのだ。
スーパーのレジに並んでいる際に、近くに並んでいる商品をついカゴに入れてしまった経験のある人は多いだろう。
これもテンション・リダクションの効果によるものである。
この心理学を活用した販売戦略としては、ECサイトで会計画面や会計直後の画面で一緒にオススメの商品を提示するレコメンド機能が代表的な例に挙げられる。
テンション・リダクションは一般的に、購入金額が高額であるほど持続性が高まるという見解がなされている。
そのため、商品購入後のお礼と一緒に他の商品やサービスを紹介するサンクスメールや、他のオプションをお得に購入できる割引クーポンの発行なども有効だと言える。