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レクサス=トヨタは周知の事実でも、隠すことに意味がある【デ・ブランディングの成功事例(2)】

CATEGORY : ブランディング成功事例

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UPDATE : 2018.12.27

文責 : 松山響

この記事のポイント

トヨタの信頼感を土台に、レクサス独自の高級感を訴求することに成功

デ・ブランディングとは、あえてブランド名(あるいは親ブランド)を表に出さずに、ロゴやシンボルマークなどでマーケティングを行う戦略のこと。

企業やブランドの色やイメージを消すことにより、消費者との新しいコミュニケーションを再構築することができる。

トヨタの信頼感を土台に、レクサス独自の高級感を訴求することに成功

1989年に日本製の高級車として北米に登場したレクサス。壊れにくいが安い大衆車という日本車のイメージを塗り替え、初代LSから大ヒット。大衆車メーカーが高級車市場に参入するモデルケースとして今なお語り継がれている。

日本国内では同じような車種が別のブランド名で展開されていたが、2005年よりレクサスとして展開し始めると、順調に販売台数を伸ばし続けてきた。

この車の製造メーカーがトヨタ自動車であることは、多くの人が知っている周知の事実かもしれない。しかし、レクサスはトヨタの名を敢えて全面に出さずに販売。れっきとしたデ・ブランディング戦略をとっているのだ。

この戦略における効果は2つある。ひとつは、トヨタ自動車という親ブランドの安全性や信頼性を土台にレクサスブランドを販売できるということ。

もうひとつは、そのような信頼性を担保しながら高級車というイメージを市場に浸透させられるということ。

たかが名前で?しかも親ブランドとの関係性は知られているのに?と思うかもしれないが、レクサスはラグジュアリーな世界観を徹底し、広告やWeb・カタログ、店舗などレクサスに関わるすべてのものをイメージ統一することで、トヨタとは異なる高級感を消費者の頭の中に植え付けることに成功したのだ。

その意味において、デ・ブランディングは本気でブランドを隠し通すことが目的ではないとも言える。

消費者が隠されたブランドのことを知っていようが知っていまいが、そのブランドとは異なる新しいイメージを発信し続けることが重要だ。

そして、その継続性によって消費者の頭の中で徐々に対象商品やサービスと隠されたブランドとが切り離されていき、新しいイメージが定着することがひとつのゴールなのだろう。

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