ダイレクトマーケティングは、アメリカのダイレクトマーケティング協会(DMA)の定義によれば「一つまたは複数の広告メディアを使って、測定可能な反応あるいは取引をどんな場所でも達成することのできる双方向のマーケティングシステム」のこと。
もう少し噛み砕くと、紙やWeb、メール、電話など様々な広告メディアを使い、個別のターゲットと直接的に双方向のコミュニケーションを行うことで、取引を成立させることはもちろん、顧客の反応を測定して次のプロモーションにつなげるようなマーケティングシステムのことを指す。
ダイレクトマーケティングは企業が小売業や卸売業、広告代理店など、中間業者を通さずに見込み客や顧客と直接コミュニケーションが取れるマーケティング活動と評されることもある。さらに、ターゲットの購買行動をはじめとする様々な個人データを企業側で蓄積できるため、より効果的かつ効率的なマーケティング活動に生かすことができる点もメリットだ。
費用対効果が高く、効果検証がしやすい、PDCAサイクルを回しやすいといった利点がある反面、軌道に乗るまで時間を要するケースや、反応の良い広告がすぐに劣化するケースもあるため、最適なプランを導き出すための試行錯誤や定期的な効果検証が成功の鍵を握るマーケティング活動と言えるだろう。
泉北ホーム:インパクト大のDMで3億円超えの売上を記録
不動産サービスの株式会社泉北ホームは、既存の顧客に対してお友達紹介キャンペーンを行い、紹介したお友達が来店したり契約したりすると、ギフト券や現金がもらえる特典を用意した。
そして、その訴求をするために作成したDMは、インパクトがあり注目を引きつけるデザイン。外側から中身が見える作りとなっており、ひとたび中身を開けると、飛び出す仕掛けが採用されている。
また、キャンペーン内容自体もイラストでわかりやすく解説されており、友達に紹介する方法や特典の条件がシンプルに伝わる工夫が施されている。
特典がもらえるメリットはもちろんのこと、個性的なデザインとわかりやすい内容によって多くの顧客をひきつけ、DMによるお問い合わせ件数は32件、そのうちの契約数は14件、さらにDMによる売り上げは3億1500万円を超えるという結果につながったそうだ。
インターネット広告が主流となりつつある中で、DMの適切な使い方によって高い成果をもたらした一例といえる。さらに、既存顧客に対してのみDMを送付しているため、費用対効果の算出もしやすく、リスクを最小限にとどめることができている点も好例だ。
2017年、日本郵政「全日本DM大賞」の銀賞を受賞。