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チーズ製造会社がパズル付きDMで成功したワケ
【ダイレクトマーケティングの成功事例】

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2020.02.05

文責 : 一筆太郎

この記事のポイント

フォンテラ社:秀逸なパズルゲームでブランド理念を伝えることに成功

フォンテラ社:秀逸なパズルゲームでブランド理念を伝えることに成功

ニュージーランドでは、フォンテラ社のメインランドチーズは愛されているブランドのひとつ。

何十年もの間、彼らのブランドタグラインとして発信してきたのが

「Good things take time」=「良いものは時間がかかる」

これは、チーズの品質の指標であり、完成に至るまで忍耐力が必要であることも意味している。

市場では競争が激化し、チーズ愛好家にメインランドチーズだけを選んでもらうことが困難になってきている。そのため、フォンテラ社は伝説的なブランドタグラインとブランドが魅力的だと再発見され、顧客にとって関連性を持たせるキャンペーンを作ることとした。

従来のターゲットは、ニュージーランド国内で25〜69歳のチーズ愛好家全員を対象としたため、非常に幅広く、捉えるのは難しい。若い会社員、家族持ち、また新たに人生を再スタートしようとしている退職者とまちまちである。現代社会の忙しい人たちを長期に渡ってフォンテラ社に注意を向けてもらい続けるのは、決して容易いことではない。

そこで、本当にエンゲージメントが発生するものは何かを再考。単にブランド体験の一瞬を共有させるだけではなく、何週間かの間、顧客自らが時間を作って、自宅で過ごせるような企画を考えた。

まず「良いものは時間がかかる」というブランドタグラインを強化し、顧客からのエンゲージメント力を高めることを2,000ピースのパズルバウチャー(引換券)で実現させた。

結果として、何千人ものファンがフェイスブックを通じてバウチャーが欲しいと応募をしてきた。バウチャーとしてのパズルを送るのがDMの役割である。

その後、バウチャーを受け取った顧客は何時間も自分の貴重な時間を費やして、パズルの組み立てを行ったのである。これらの時間はメインランドチーズとの双方向コミュニケーションだった。

パズル完成まで最速時間は 45 時間。このキャンペーンが終了するときに計測したバウチャーの償還率は40%にもなっていた。米国 DMAが2017年に発表したDMのレスポンスレポートによると、平均レスポンス率は4.4%とあるので、エンゲージメントの長さとレスポンスが成果に十分反映されたことが分かる。

また、ソーシャルメディアを活用したキャンペーンとしては、メインランドチーズにおいて今日までで最も成功したキャンペーンで、同ブランドのフェイスブックによるプロモーションよりも3倍のエンゲージメントを発生させることができた。

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