追加1単位当たりの生産に必要なコストのこと。
企業行動において利潤をπ、総利益をR、総費用をCとすれば、企業の利益はπ=R-Cとなる。
利潤極大化の条件は、これ以上生産を拡大しても利益が増えない状態、すなわち両辺を生産量qで微分し、限界利益がゼロになる状態を指す。これを計算式で表すと以下のようになる。
dπ/dq=dR/dq-dC/dq=0
言い換えれば、企業の利潤極大化は限界費用(MC)=限界利益(MR)となり、これにより生産量と価格が決定する。
たとえば工業製品では通常、生産量が増大するにつれて限界費用は減少し、生産能力の上限に近づくと上昇するカーブを描く。
ここで新たに設備投資を行って生産力を拡大すれば再び限界費用が減少するため、長期的な限界費用曲線は右下がりとなり、規模の経済性が働くのだ。
ハイテク製品や各種のコンピュータ・ソフトウェアなど高度かつ技術的な製品の場合、大量生産のフェーズに入ると急速に限界費用が低下し、競争による価格の低下が始まるまでは先行企業に多大なる利益をもたらす。