ダイレクトマーケティングとは、アメリカのダイレクトマーケティング協会(DMA)の定義によれば「一つまたは複数の広告メディアを使って、測定可能な反応あるいは取引をどんな場所でも達成することのできる双方向のマーケティングシステム」のこと。
もう少し噛み砕くと、紙やWeb、メール、電話など様々な広告メディアを使い、個別のターゲットと直接的に双方向のコミュニケーションを行うことで、取引を成立させることはもちろん、顧客の反応を測定して次のプロモーションにつなげるようなマーケティングシステムのことを指す。
ダイレクトマーケティングは企業が小売業や卸売業、広告代理店など、中間業者を通さずに見込み客や顧客と直接コミュニケーションが取れるマーケティング活動と評されることもある。さらに、ターゲットの購買行動をはじめとする様々な個人データを企業側で蓄積できるため、より効果的かつ効率的なマーケティング活動に生かすことができる点もメリットだ。
ニューサウスウェルズ州美術館協会:CEOのポートレートを美術展示するDMで、スポンサー獲得に貢献
ニューサウスウェルズ州美術館協会では、スポンサーの獲得が課題となっており、その打開策を広告会社に求めた。
依頼先の広告会社はワンダーマン。同協会と考えた戦略は、企業経営者をターゲットとして、彼らにスポンサーになってもらうことであった。企業のCEOたちはダイレクトメールによって美術館に来るように招待された。しかし、そこに展示されている作品は特別なものであった。それは招待されたCEOたちの写真がゴッホ、レンブラント、モネといった有名な画家によって描かれたかのようにデジタル処理をされてキャンバスに印刷され、本物のピカソ、デガの作品に並んで美術館に展示されたのだ。
今回のDMからは34%のレスポンスが獲得でき、スポンサー獲得に貢献した。ちなみにこの事例は、DMA国際エコー賞においては、2012年にブロンズを獲得している。