顧客からの信頼を築きあげるとともに、企業の透明性を高めることによって、顧客価値の最大化を実現しようとする新しいマーケティング発想。
短期的な利益を失っても、顧客からの強い信頼を得ていたならば、長期的には大きな利益へと結びつく。もちろん必要とあれば、ライバル企業の製品情報さえも提供する。
アドボカシーには、「弁護」や「擁護」といった意味がある。インターネットの浸透により、消費者の立場は大きく変化した。これまでは企業が圧倒的に強い立場にあったが、さまざまな情報検索が容易になり、比較サイトも充実してきた。消費者たちは製品やサービスの品質を豊富な情報に基づいて判断できるようになっており、押し付け的なマーケティングでは、もはや消費者たちを説得できなくなっているのだ。
アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)のマーケティング教授、グレン・アーバンによって提唱されたものであり、日本においても先進的な企業の幾つかは、アドボカシー・マーケティングを実践することにより、長期的な利益の獲得を求めるようになっている。