人から注目されることにより、その期待に応えたいという心理が働き、通常よりも良い結果を引き起こす現象のこと。
ホーソンとは、実験が行われたアメリカの工場の名前に由来する。この実験は、もともと他の目的で行われていたものであった。
ハーバード大学ビジネススクールのエルトン・メイヨ教授は、光の明るさが従業員の作業効率にどう影響するかを調査していた。すると、どんな明るさでも作業効率は向上し、逆に薄暗く手元が見えにくい状況でも作業効率は向上したのだ。
その原因を調べたところ、作業効率を向上させたのは現場にいた調査員の存在であったことがわかった。作業者は有名なハーバード大学の調査対象に選ばれた、その調査員から見られているという意識が働いたことで、モチベーションが高まって真剣に仕事に取り組み、結果的に生産性が向上したのである。
ホーソン効果は主にインナーブランディングや社内のモチベーションアップに生かすことができる。
たとえば、職場の従業員同士で素晴らしい働きをしたと思う人の名前を挙げて表彰する制度や、頑張っている従業員に会社からインセンティブがもらえる制度など、従業員一人ひとりが「自分は注目されている」という意識を植え付ける仕組みを作ることで、結果的に良い効果をもたらすとされる。