ユーザーが用品・サービスに対する質やイメージを判断する瞬間のことを指す用語。直訳すると「真実の瞬間」であり、もともとは「闘牛士が闘牛にとどめを刺す瞬間」という闘牛の用語であった。
提唱したのはスカンジナビア航空のCEOを務めていたヤン・カールソン。彼は旅客機の利用者が1回のフライトで平均5人の乗務員に15秒間ずつ接する機会があることを明らかにし、その15秒の体験で顧客のブランドに対する質やイメージは決まると提言した。
その後、P&Gによってモーメント・オブ・トゥルースには4つの発生ポイントがあることが提唱された。
■第0の瞬間(Zero Moment of Truth = ZMoT)
インターネットで商品・サービスのレビューを閲覧するなど、購入前に情報を集めて意思決定をする瞬間。
■第1の瞬間(First Moment of Truth = FMoT)
ユーザーが実際に商品・サービスを店頭で目にした際に、購入するか否かを判断する瞬間。3〜7秒以内にFMoTが発生すると言われている。
■第2の瞬間(Second Moment of Truth = SMoT)
購入に商品・サービスを利用して質やイメージを判断する瞬間。このSMoTがユーザーレビューとなって、先述のZMoTに大きな影響を及ぼす。
■第3の瞬間(Third Moment of Truth = TMoT)
ユーザーが商品・サービスを利用し続けるうちに、愛着が生まれる瞬間。このTMoTが発信する熱狂的な口コミやレビューもZMoTに大きな影響を及ぼす。
Googleの調査によれば、アメリカでは実際に商品・サービスを購入する前に88%の人がインターネット上の口コミやレビューを検索しているという。また、あらゆる情報が溢れている現代では、口コミやレビューの質自体も吟味されるようになっている。そう考えると、熱狂的な口コミやレビューを発信するZMoTの瞬間を作ることが今後ますます重要になってくると言えるだろう。