初頭効果とは、最初に与えられた情報が後の情報に影響を及ぼす現象のこと。いわゆる第一印象がその人自体の印象を大きく左右するというバイアスである。
社会心理学者のアッシュは、印象形成において、提示順序によって違った印象が形成されることを見出した。
被験者に対して、Aさんの特徴を「知的・勤勉・衝動的・批判的・頑固・嫉妬深い」と紹介した上で、実際にAさんに会った印象を尋ねると多くの場合が好印象を覚えたのに対し、「嫉妬深い・頑固・批判的・衝動的・勤勉・知的」と紹介した上で実際にAさんに会った印象を尋ねると、多くの場合が悪い印象であったという。
紹介する内容はどちらも同じであり、順番を逆にしただけである。これだけ単純な違いであっても、最初に与えられた情報のほうが私たちの印象には残るのだ。
こうしたテクニックは初めての商談や面接、プレゼンテーションなどで相手に好印象を与えるために役立つだろう。