最後に抱いた印象が、その人全体への印象を大きく左右するバイアスのこと。最初の印象がその人の印象に大きな影響を与えるという「初頭効果」と対になる効果として、セットで語られることが多い。
終末効果はいわゆる「終わりよければ全て良し」のことだと言える。たとえば講演会などで、最後に印象的な言葉を投げかけたり、大きな盛り上がりポイントを作ると、その講演会は良いものだったという印象になりやすい。旅館で帰る時にスタッフが総出でお見送りするのもこの効果に基づく行動だと考えられるだろう。
初頭効果と終末効果は相容れないものではなく、うまく使い分けたり共存させることが可能であるとされている。例えば途中退席が可能な映画や講演などでは、最初がつまらないと退出されてしまう可能性があるため、最初に人々を惹きつける要素を作ることが重要である。小説やWebコンテンツも同じだと言えるだろう。一方、最後まで聴衆の拘束が約束されているようなプレゼンテーションや演劇などの舞台では、最後に印象的な要素を持ってくると言う手法のほうがより効果的と言えるかもしれない。