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Appleの初代ロゴは複雑な絵画だった?

CATEGORY : ブランドのデザイン

UPDATE : 2020.03.18

文責 : SINCE.編集部

この記事のポイント

世界一有名なロゴと言ってもいいApple

初代ロゴは複雑な絵画だった?

シンプルかつ可愛すぎないロゴを探究

ジョブズが微笑んでうなずき、現在まで残るリンゴのロゴが完成した

世界一有名なロゴと言ってもいいApple

Appleのロゴ。

それは、世界で最も有名なロゴの一つであることは間違いありません。

今回はAppleのロゴの変遷を紹介したいと思います。ところで、Appleの初代ロゴはリンゴのモチーフじゃなかったと知っていましたか?
 
 
 

初代ロゴは複雑な絵画だった?

Appleが誕生したのは1976年のこと。スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアック、ロナルド・ウェインの3人が共同で「アップルコンピュータ・カンパニー」を設立します。

初代ロゴを手掛けたのは共同設立者のウェイン。

そのロゴには、リンゴの木の下に腰掛けて本を読むアイザック・ニュートンの絵が描かれ、その絵の額縁にはワーズワースの詩の一節「ニュートン、彼の心は永遠に見知らぬ思考の海を漂う。たったひとりで」が記されていました。さらに、リボンのようなもので「Apple Computer Co.」の社名を記すという濃厚さ。

ミニマルでフラットなデザインを志向する今のAppleからすると信じられないほど、実に複雑な構図のロゴだったのです。
 
 
 

シンプルかつ可愛すぎないロゴを探究

翌年、ジョブズたちはこの複雑すぎるロゴを変えるため、シリコンバレーのマーケティングコンサルティング会社レジス・マッケンナにロゴ制作を依頼します。

若きAppleのロゴリニューアルを手掛けたのは、レジス・マッケンナに転職したばかりだったデザイナーのロブ・ヤノフ氏。

ジョブズからの細かいオーダーはなく、ただ「可愛すぎるデザインはやめてくれ」とだけ言われたそうです。

こうして彼はいくつかのプロトタイプを作り、かの有名なリンゴのロゴを生み出します。

このロゴには黄金比が用いられていると言われていますが、実際はフリーハンドで描いたもの。パソコンのイメージとは裏腹に、紙と鉛筆で生み出されたのです。
 
 
齧られたリンゴも「アダムとイブの禁断のリンゴを示していて、人類の進歩を表している」「bite(かじる)とbyte(バイト)をかけている」といった逸話が有名ですが、ロゴを考案した本人は単にさくらんぼや他の果物と間違えられないようにしただけだと語っています。

齧られたリンゴの部分には「a」がぴったりと収まり、書体は当時の最先端であるMotter Tktura(モッター・テクトゥラ)が採用されました。
 
 
カラフルなロゴには、「コンピュータの冷酷でネガティブなイメージを取り除き、暖かく親しみやすいイメージに変えて家族で使えるようにしたい」というヤノフの願いが込められています。

レインボーカラーにしたのは、当時ライバル視していたIBMとの違いを出すためだったとされています。
 
 
 

ジョブズが微笑んでうなずき、現在まで残るリンゴのロゴが完成した

完成したロゴをジョブズに見せたとき、彼は多くを語らずに微笑んでうなずいただけだったそうです。

それ以来、ヤノフが作ったロゴはマイナーチェンジを遂げながらも、そのモチーフは現在に至るまで使われ続けています。

1984年、初代マッキントッシュの登場に合わせて、ロゴはランドー・アソシエイツ社によって数学的に計算された曲線を持つデザインに変化。この頃にはリンゴ=Apple社というイメージも定着していたので社名も消えました。


 
 

1988年、ジョブズが復帰した年であり、多彩なカラーリングが特徴のiMacが投入されるタイミングで、逆にロゴはスタイリッシュでモノクロなものに変化します。


 
 

2001年、音楽リスニング体験に革命を起こしたiPodを発表するとともに、立体感のあるモチーフにマイナーチェンジします。単色でありながら、ガラスのような質感があるのが特徴です。


 
 

2008年、再び時代を変える発明となるiPhoneを発表。アルミニウム製のプロダクトのトーンに合わせ、メタリックなロゴへと変化しました。


 
 

2013年、ジョブズの死後に大きなデザイン変革を迎えたApple。これまでの立体感や現実感を追求したデザインから、フラットデザインへと舵を取りました。これにより、ロゴの立体要素も取り除かれ、フラットデザインが採用されています。


 
 
こうして振り返ると、Appleは重要な製品が発表されるたびに、ロゴをマイナーチェンジしてきたことがわかります。

しかし、リンゴのモチーフは初代を除いてずっと採用され続けてきました。デザインをしたヤノフ本人も、ここまで長く生き続けることは想像していなかったかもしれませんね。
 
 
 
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