ブランドが保持する資産価値のこと。特に知名度や信頼感など無形の価値を資産と捉えたものを指す。D.A.アーカーが提唱した「ブランド・エクイティ論」によって、ブランド・エクイティの考え方は広く浸透した。アーカーはブランド・エクイティを「ブランド名やシンボルと結び付いたブランド資産/負債の集合であり、製品のサービスの価値を増減させるもの」と定義した。
ブランド・エクイティは以下の5つの構成要素から確立されると言われている。
(1)ブランドロイヤルティ
そのブランドに対する消費者の忠誠度。
(2)ブランド認知
そのブランドに対する社会的認知度。
(3)ブランド連想
消費者がブランドを思い浮かべた際に想起する連想イメージ。
(4)所有権のある資産
特許や商標、取引先との関係など、知的所有権のある無形資産。
(5)知覚的品質
消費者がブランドに対して認識している品質。
独自のブランド・エクイティを形成できれば、社会にとって唯一無二の希少な存在となり得る。そして、形ある資産はいずれ老朽化していくのに対し、ブランド・エクイティは適切にマネジメントを続けることで長期にわたって競争力を保持する可能性もある。強固なブランド・エクイティを確立することはブランドにとって欠かせない経営戦略である。