田原総一朗さんがテレビに出演されて
「最近のテレビはどうですか?」と問われ
「命がけでないものは面白くない」というようなことを言っていたことが
最近、何度も頭をよぎる。
命がけでないものは面白くない。
確かにそうなのかもしれないなと思う。
それは42歳を過ぎた年齢のせいなのか
時流に乗っているのかはわからない。
僕は最初に就職した会社が
編集工学研究所というところで、
所長の松岡正剛さんは
千夜千冊というブログを始めたところだった。
ブログと言ってもただのブログではない。
毎日、原稿用紙にして20枚以上の文量を書く。
松岡さんは「限界を超えたところに私のピークが来る」と言い
体力が限界に近づいた時から創作を始めた。
深夜の3時すぎに今日の原稿が上がってくる。
朝方になることもあった。
千夜千冊をしていた松岡さんは
千日回峰行のようですねと言われることが多かった。
千日回峰行は天台宗の回峰行で、
約1000日を7年かけて行う。
1〜3年目は年に100日、4〜5年目は年に200日。
だいたい6時間くらいを真言を唱えながら歩く。
5年目からは過酷さがさらに上がる。
千日回峰行の恐ろしいのは、
途中で行を続けられなくなったときは自害しなければならないことだ。
そのために「死出紐」と、短剣、埋葬料10万円を常時携行しなければならない。
まさに命がけだ。
千夜千冊の、
というかそもそも松岡正剛という人の覚悟は
まだ20代前半だった僕にすら
死をも厭わずというように見えた。
千日回峰行と通ずるところは大きいのかもしれない。
今日の一筆というコンテンツは
1000日間続けてみようと思う。
こういう流れでは命がけでやります!と宣言したいところだが、
僕のような凡人は命がけの千日とは行かないかもしれない。
ただ、ブランドは続けることで強度を増すことは知っているつもりだ。
タモリさんがいいともを30年以上続けることで
生まれたブランドはあまりにも大きい。
数多くのCMにも出演し、
一流芸能人と認められた出川哲朗さんだって
リアクション芸をひたすら続けることによって
今の地位を得たのではないだろうか。
とにかく1000日。そのあとのことは1000日が来たら考えます。
僕はブランディングをもっと多くの人が使えるといいのに、と思う。
ブランディングはMBAをとったエリートだけのものではなく、
問題解決をしたいすべての人が使うと便利な技のような
ものなのではないかと思っている。
儲けるための便利ツールのようなものだと言ったっていい。
学問ではなく、実戦でこそ活きるのだ。
一方で、ブランディングはカルチャーの中にもある。
例えば、ゴダールという映画の巨人は
今もそのパワーを保っている。
今年公開された『顔たち、ところどころ』という
アニエス・ヴァルダとJRのドキュメンタリーでは
映画の奥にゴダールがいた。
カルチャーにおけるブランディングも解き明かしていきたいテーマだ。
松岡さんは21世紀は方法の時代だと言っていた。
テーマは20世紀で出尽くしたんだと。
ブランディングというのは、まさに方法だと思う。
金儲けをするための方法でもあるし、
社会問題を解決するための方法でもあるし、
ゴダールのような芸術家を生むための方法かもしれない。
ブランディングナレッジベースSINCE.は方法の泉でありたいと思う。
ブランディングナレッジベースSINCE.は、
頼もしい仲間たちの手によって生まれた。
みんなお茶目だけど、芯のあるプロフェッショナルだ。
ウェブサイトの開発はparachuteという
福岡のクリエイティブチームによるもの。
アートディレクション/デザイン:上田尚志
UXディレクション/マークアップ:栫宏樹
PM/ワードプレス設計構築:脇田崇弘
サイト戦略/設計:三枝真
企画/編集長:一筆将
編集/ライティング:松山響
ライティング:一筆一恵
こういうことは何かを成し終えた後にエンドロールとして
流れることかもしれないけど、
どちらかといえば試合開始のメンバー発表のようなものだ。
スターティングメンバーはこちらで
これから日々改良を続けてまいります。