マーケティング・オートメーション(MA)とは、効率的・効果的なマーケティング活動を自動的に行うための支援ツール。
簡単に言えば、見込み客のセグメンテーションを自動化することで、それぞれのターゲットに最適なマーケティング活動を行い、販路の拡大や生産性の向上、顧客情報の資産化などの有益をもたらすツールである。
アメリカを中心とする海外では既に広く浸透しており、日本ではまだ十分に普及されているとは言えないものの、これから市場拡大する可能性が高い分野と考えられている。
具体的にどのような効果がもたらされるのか。海外の先行事例を見てみたい。
ランスタッド社:ペルソナを細かく設定し、それぞれに響くコンテンツを適切なタイミングで配信
世界2位の実力を誇る、オランダの総合人材サービス会社のランスタッド。彼らは長きにわたってアウトバウンドのマーケティング戦略を採用していたが、自社Webサイトへのアクセス数は膨大だったものの、コンバージョン率が低く、検索エンジンによる流入も伸びなかった。
そこで、同社はマーケティングオートメーションの導入を決意する。はじめにペルソナを定義し、訪問者の属性をセグメント化。それぞれの行動全体を把握したうえで、セグメントごとに読みたいコンテンツを大量につくり、それが読みたいタイミングで提供されるように設定した。
すると、見込み客が4倍に増加し、トラフィックも大幅に向上。重要なコンバージョン率も着実に伸長したという。
アウトバウンド型の営業活動で獲得した見込み顧客情報は貴重な資産だが、それが望むような成果につながらないケースも多い。MAツールはこうした資産を最大限に生かすために有効な施策のひとつといえよう。