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競合のDMと差をつける方法【ダイレクトマーケティングの成功事例(4)】

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2019.01.13

文責 : 松山響

この記事のポイント

小田急電鉄:競合の定番DMを徹底研究し、あえてハズしたDMでインパクト勝ち

ダイレクトマーケティングは、アメリカのダイレクトマーケティング協会(DMA)の定義によれば「一つまたは複数の広告メディアを使って、測定可能な反応あるいは取引をどんな場所でも達成することのできる双方向のマーケティングシステム」のこと。

もう少し噛み砕くと、紙やWeb、メール、電話など様々な広告メディアを使い、個別のターゲットと直接的に双方向のコミュニケーションを行うことで、取引を成立させることはもちろん、顧客の反応を測定して次のプロモーションにつなげるようなマーケティングシステムのことを指す。

ダイレクトマーケティングは企業が小売業や卸売業、広告代理店など、中間業者を通さずに見込み客や顧客と直接コミュニケーションが取れるマーケティング活動と評されることもある。さらに、ターゲットの購買行動をはじめとする様々な個人データを企業側で蓄積できるため、より効果的かつ効率的なマーケティング活動に生かすことができる点もメリットだ。

費用対効果が高く、効果検証がしやすい、PDCAサイクルを回しやすいといった利点がある反面、軌道に乗るまで時間を要するケースや、反応の良い広告がすぐに劣化するケースもあるため、最適なプランを導き出すための試行錯誤や定期的な効果検証が成功の鍵を握るマーケティング活動と言えるだろう。

小田急電鉄:競合の定番DMを徹底研究し、あえてハズしたDMでインパクト勝ち

小田急電鉄株式会社は、グループ内のゴルフ場である「富士小山ゴルフクラブ」への新規顧客獲得を目的としたダイレクトマーケティグを展開している。

2018年、同社は小田急カード会員の中でも、よりゴルフに興味関心のある会員をセグメント化し、彼らに対してDMを送付した。

これだけであれば、どこにでもあるダイレクトマーケティング施策だが、彼らはゴルフに興味のある会員は、ほかのゴルフ場のDMについてもらい慣れていると推測。競合のDMを徹底的に研究したうえで、ゴルフ場のDMをもらい慣れている人に対してもインパクトのあるDMになるよう、DMを開くと大きな富士山が立体で現れ、裾野に広がる扉を開けると、コースのポイントや優待内容が記載されるような構成にした。

デザインが目にとまりやすく、コースのポイントや優待内容もわかりやすく掲載されているため、新規顧客の大幅な問い合わせ件数アップにつながったという。

競合会社のDMがどのような形式なのかを把握して、どこにもないインパクトやわかりやすさを追求することで、コンバージョンを向上させた好例だといえるだろう。

2018年、日本郵政「全日本DM大賞」銅賞を受賞。

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