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アイデア突破のDM①【ダイレクトマーケティングの成功事例(9)】

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2019.01.13

文責 : 松山響

この記事のポイント

Calor社:重たいダンベルが入った箱のDMで、LPガスフォークリフトへの興味をひきつける

ダイレクトマーケティングとは、アメリカのダイレクトマーケティング協会(DMA)の定義によれば「一つまたは複数の広告メディアを使って、測定可能な反応あるいは取引をどんな場所でも達成することのできる双方向のマーケティングシステム」のこと。

もう少し噛み砕くと、紙やWeb、メール、電話など様々な広告メディアを使い、個別のターゲットと直接的に双方向のコミュニケーションを行うことで、取引を成立させることはもちろん、顧客の反応を測定して次のプロモーションにつなげるようなマーケティングシステムのことを指す。

ダイレクトマーケティングは企業が小売業や卸売業、広告代理店など、中間業者を通さずに見込み客や顧客と直接コミュニケーションが取れるマーケティング活動と評されることもある。さらに、ターゲットの購買行動をはじめとする様々な個人データを企業側で蓄積できるため、より効果的かつ効率的なマーケティング活動に生かすことができる点もメリットだ。

Calor社:重たいダンベルが入った箱のDMで、LPガスフォークリフトへの興味をひきつける

LPガスを燃料にしたフォークリフトを販売するイギリスのCalor社は、従来のディーゼルオイルや電気エネルギーのモデルよりもLPガスを使ったモデルのほうが信頼性があることを主張していた。

しかし、工場や倉庫業を営んでいる経営者にそのことは周知されておらず、LPガスフォークリフトに関するパンフレットや資料を送付してもなかなか読んでもらえないという課題に直面していた。

そこで、同社はターゲットの注意をひくためのDMを制作することにした。
具体的には、ターゲットに対してダンベルが入った赤い箱を送付。箱は非常に重たいのだが、実際にふたを開けて中に入っているダンベルを持ってみると、とても軽い。実は箱に仕掛けをして重さを出しており、これは重たいフォークリフトと軽いLPガスの関係を表現したものだ。

そして同封されたパンフレットには、LPガスフォークリフトのベネフィットが端的に記載されており、詳細は営業担当から連絡をするというシンプルな内容であった。

この結果、ターゲットとしてDMを送付した顧客全員に対して、営業アポイントメントを取り付けることに成功したという。

DMのすぐれたアイデアによって課題を解決するという、シンプルながら学びの多い事例といえるだろう。

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