ダイレクトマーケティングとは、アメリカのダイレクトマーケティング協会(DMA)の定義によれば「一つまたは複数の広告メディアを使って、測定可能な反応あるいは取引をどんな場所でも達成することのできる双方向のマーケティングシステム」のこと。
もう少し噛み砕くと、紙やWeb、メール、電話など様々な広告メディアを使い、個別のターゲットと直接的に双方向のコミュニケーションを行うことで、取引を成立させることはもちろん、顧客の反応を測定して次のプロモーションにつなげるようなマーケティングシステムのことを指す。
ダイレクトマーケティングは企業が小売業や卸売業、広告代理店など、中間業者を通さずに見込み客や顧客と直接コミュニケーションが取れるマーケティング活動と評されることもある。さらに、ターゲットの購買行動をはじめとする様々な個人データを企業側で蓄積できるため、より効果的かつ効率的なマーケティング活動に生かすことができる点もメリットだ。
BMF社:ターゲットの創造力を刺戟する、クリエイティブなDM
オーストラリアの広告会社BMFは、オーストラリア広告連盟がスポンサーをしている広告専門学校の生徒を自社にエントリーさせるために、クリエイティビティに溢れたDMを送付した。
その内容とは、組み立てると椅子になる段ボール。
そして、このようなメッセージを掲げた。
「これで何か我々がびっくりするようなものを作って欲しい。BMFで採用のチャンスが一気に上がるかもしれない」
このDMを受け取った生徒たちは1週間のうちに全員が作品をBMFのブログ上に掲載。
そのレスポンス結果は104%だった。つまり、DMを送った生徒のほかにも何人かが勝手に参加したのだ。それほどまで、このキャンペーンは魅力的だったということだろう。
同社はこの施策によって、7名の優秀なクリエイターを採用することに成功した。
この年の採用活動は、競合の広告会社を大きく引き離すような結果を手にすることができたのだ。