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【ダイレクトマーケティングの成功事例】フライト距離に合わせた“おもてなし”

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2019.07.23

文責 : 松山響

この記事のポイント

カンタス航空:フライト時間に合った10種類の書籍で、マイレージプログラムのサービス精神を表現

ダイレクトマーケティングとは、アメリカのダイレクトマーケティング協会(DMA)の定義によれば「一つまたは複数の広告メディアを使って、測定可能な反応あるいは取引をどんな場所でも達成することのできる双方向のマーケティングシステム」のこと。

もう少し噛み砕くと、紙やWeb、メール、電話など様々な広告メディアを使い、個別のターゲットと直接的に双方向のコミュニケーションを行うことで、取引を成立させることはもちろん、顧客の反応を測定して次のプロモーションにつなげるようなマーケティングシステムのことを指す。

ダイレクトマーケティングは企業が小売業や卸売業、広告代理店など、中間業者を通さずに見込み客や顧客と直接コミュニケーションが取れるマーケティング活動と評されることもある。さらに、ターゲットの購買行動をはじめとする様々な個人データを企業側で蓄積できるため、より効果的かつ効率的なマーケティング活動に生かすことができる点もメリットだ。

カンタス航空:フライト時間に合った10種類の書籍で、マイレージプログラムのサービス精神を表現

航空業界においては、顧客獲得の競争が年々熾烈さを増してきている。オーストラリアのカンタス航空は、自社のマイレージプログラムが強みであり、他社の追従を許さないほどのサービスレベルにあることをアピールしたかった。つまり、旅行者ひとり一人に合ったサービスを提供するということを知ってもらう必要があったのだ。

そこで彼らは、人気の現代作家によって書かれた10冊からなる書籍「Stories for every journey(旅行者への一冊)」を配布。

目的地までのフライト時間に合った10種類の書籍となっており、自分が搭乗した飛行機が滑走路を飛び立ち、目的地に着陸するまでにちょうど読み切ることができる厚さに仕上がっている。まさに旅の友といえる書籍であり、大切にしたい顧客に対するカンタス航空の特別なもてなしであった。飛行距離によって、本のページ数は異なる。これがカンタス航空のプラチナマイレージプログラムで体験できるのだ。

この施策は世界中で話題となり、カンタスというブランドを世に発信する口火を切ることになった。テレビCMでは「すべての旅行者のために」を強調し、結果として前年比2倍もの新規顧客の獲得に結び付いたのだ。

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