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食べられるプレスリリース【ダイレクトマーケティングの成功事例(16)】

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2019.01.27

文責 : 松山響

この記事のポイント

アフィニティ:ペットが食べられるペットフードのDMで成功

ダイレクトマーケティングとは、アメリカのダイレクトマーケティング協会(DMA)の定義によれば「一つまたは複数の広告メディアを使って、測定可能な反応あるいは取引をどんな場所でも達成することのできる双方向のマーケティングシステム」のこと。

もう少し噛み砕くと、紙やWeb、メール、電話など様々な広告メディアを使い、個別のターゲットと直接的に双方向のコミュニケーションを行うことで、取引を成立させることはもちろん、顧客の反応を測定して次のプロモーションにつなげるようなマーケティングシステムのことを指す。

ダイレクトマーケティングは企業が小売業や卸売業、広告代理店など、中間業者を通さずに見込み客や顧客と直接コミュニケーションが取れるマーケティング活動と評されることもある。さらに、ターゲットの購買行動をはじめとする様々な個人データを企業側で蓄積できるため、より効果的かつ効率的なマーケティング活動に生かすことができる点もメリットだ。

アフィニティ:ペットが食べられるペットフードのDMで成功

ペットフードメーカーのアフィニティは、自社で開発したペットと飼い主のためのオンラインコミュニティー「コミュニマルズ」の認知を高めるため、ブロガーとインフルエンサーの力を借りてマスメディア的な訴求を狙うキャンペーンを作った。しかし、アマチュアブロガー達は、書く内容においては制限を受けないため、旬な話題や事柄、自分たちの関心を引くコミュニケーションにしか興味がない。これでは、なかなかペットの飼い主の注意をひくことは難しかった。

そこで、同社は新しいペットフードのプレスリリースを発表した。ごく普通のプレスリリースの文章であったが、ひとつ大きく異なるのは、これが食べられるものであるということ。

この斬新なアイデアがジャーナリストやブロガーの興味をそそった。そして彼らが飼っているペットにも食べてもらおうと試みた。同社は300通のプレスリリースを作成し、受取人のペットの名前を書き込むことでパーソナライズをした。飼い主はプレスリリースを読むことができ、そして、ペットはその読み終えたプレスリリースを試食することができる。

この施策は190以上のメディアで伝えられ、80以上のブログに取り上げられ、雑誌などの出版物にも掲載された。広告会社の調べによれば、プレスリリースを実際に食べたネコは36匹、犬は71匹に及んだという。結果として、25,000ユーロの予算で250,000ユーロ相当の効果を発揮したキャンペーンとなった。

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