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【リポジショニング戦略の成功事例1】フルーツグラノーラは「朝食市場」にポジションチェンジで成功!

CATEGORY : ブランディング成功事例

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UPDATE : 2019.03.31

文責 : 一筆太郎

この記事のポイント

フルーツグラノーラは1991年に誕生。2000年代に入っても苦戦が続いた

シリアル市場から朝食市場へポジションチェンジ!

ヨーグルトの脇役のポジションとして確立

商品やサービスについて独自の優位性を持つポジションを築き、ターゲットとなる顧客の頭の中に差別化されたイメージを植え付けるポジショニング戦略。
 
その中でも、競争、変化、危機に面した市場に対し、既存ブランドのポジショニングの見直しと再定義を図り、ブランドや企業の再活性化を狙う戦略のことをリポジショニング戦略と言う。
 
 
カルビーのフルーツグラノーラ(以下:フルグラ)が誕生したのは1991年のこと。仕事で忙しい女性をターゲットに主食として販売したが、当初期待していたほどは売れず、2000年代に入っても思うような売上に到達しない状態が続いていた。
 
成長の兆しが見えないフルーツグラノーラに対し、社内では「いつ辞めるのか」という空気も漂いはじめていたが、2010年代に入って同社は再起をかけたリポジショニングを図る。当時、シリアル市場自体が停滞していたため、そこで戦っても大きな成長は望めない。そこで、さらに巨大な「朝食市場」にポジショニングを築くことを企てたのだ。
 
朝食市場の主役といえばパンや白米。シリアルはその代替品として捉えられがちだが、彼らが目をつけたのは「ヨーグルト」。ヨーグルトを好んで食べる層に対し、ヨーグルトと相性が良い食材であることを訴求。あくまでも「ヨーグルトの脇役」として、日常生活の中へ入り込んでいく戦略をとった。
 
こうなると、ライバルはパンや白米から、ジャムやフルーツへと変わる。フルーツグラノーラはヨーグルトと混ぜた時の独特の食感や、食物繊維と乳酸菌の相乗効果、何よりも新しいヨーグルトの食べ方提案を発明したことにより、ヨーグルトファンの間で大きな話題に。それをきっかけにグラノーラの認知度や美味しさは草の根的に広がっていき、朝食市場の中にグラノーラという新たなポジションを確立ことに成功する。数年で年商を5倍に引き上げるという成果も手にしたのだ。

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