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【コンシューマーインサイトの成功事例】ルーマニアのチョコレート菓子「ROM」は愛国心で成功

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2019.05.27

文責 : 一筆太郎

この記事のポイント

「古臭くてダサいお菓子」ROM

ルーマニアの若者はアメリカ好きのようで自国愛が強い

「すみません、これはジョークでした。明日からもとのデザインに戻します」

コンシューマーインサイトとは、消費者の行動や態度の背景にある意識を深く洞察すること。

行動に結びつく内面心理を深掘りしたり、行動や購買に結びつくブランドと生活者の共通点や、ライフスタイルなど目に見えないものを解釈することで、新しいインサイトを発掘することを目的としている。

アンケートなどで消費者自身の言葉から出てくるニーズは、すでに表面化されたものであり競合他社も持っている情報の可能性が高い。

一方、コンシューマーインサイトは消費者も言葉にできないような無意識的・潜在的なニーズを発見することにつながるため、新しい製品・サービスの開発や市場の開拓に有利となるのだ。

ルーマニアのチョコレート菓子「ROM」が成功させた「The American Takeover」の事例を見てみよう。

彼らの目的は、若い世代が持つ「古臭くてダサいお菓子」というイメージを打破し売上を再向上させること。

このキャンペーンのベースにはコンシューマーインサイトへの深い洞察がある。それは、ルーマニアの若者の特有の「アメリカのブランドがクールだと思っているけれど、実は愛国心がとても強い」というものだった。

ちなみに、「ROM」のパッケージデザインはルーマニアの国旗。日本だったら「日の丸デザイン」というところだろう。

そこで、なんとこれを大胆にも、一夜にして「アメリカ国旗=星条旗」デザインにリニューアルし、大々的に店頭プロモーションと広告を打ったのだ。

これには若者をを中心にルーマニア国民が大憤慨。ソーシャルでの議論も白熱しデモまで起こり、「ルーマニアの誇りに何てことをしてくれたんだ」という「空気」ができあがる。

そこで満を持してROMが発表する。「すみません、これはジョークでした。明日からもとのデザインに戻します」と。

この結果、「ROMは僕たちのブランド」だという認識は124%も向上し、人気が衰えていたチョコレート菓子は見事に復活した。炎上マーケティングとも言えるリスクの高い手法だが、ルーマニアの若者のインサイトを見事に捉えて認知度を飛躍させたという点で、見習うことの多い事例である。

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