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【O2Oマーケティングの成功事例】
実店舗と通販、両方の強みを生かす

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2019.08.13

文責 : 一筆太郎

この記事のポイント

iPhoneを活用したリアルタイムな在庫管理

試着したが購入に至らなかった商品の品番メモを渡し再検討を促す

通販商品を指定の実店舗に届けて試着できるサービスも

O2Oとは「Online to Offline」の略。O2Oマーケティングとは、Webサイトやアプリなどのオンラインの場から、店舗などのオフラインの場にターゲットを誘導する施策のこと。あるいは逆に、オフラインからオンラインへと誘導するケースもある。

アパレル業界は昨今の景気後退の大きな煽りを受けている事実は否めないが、そんな中でも好調な売上高を維持している企業がある。その1つが「ユナイテッドアローズ」である。

ユナイテッドアローズは、18ブランド232店舗を展開するセレクトショップ。オリジナリティのある切り口での商品選定で、この業界では重鎮とも言えるほどの地位を確立しているが、その成功の裏にはオンラインショップと実店舗を巧みに連動させたマーケティングがある。

ユナイテッドアローズの一部の店舗では、iPhoneを活用した在庫管理を行っている。スタッフはiPhoneで在庫管理システムにアクセスし、商品の在庫を確認することができるのだ。商品タグに記載されている商品コードを画面上で入力するだけで、該当商品のサイズ別色別の在庫数がその場で分かるため、顧客を待たせる必要がない。他の店舗の在庫数も表示されるため、取り寄せなどの対応に移行しやすいメリットもある。

また実店舗では、試着したが購入に至らなかった商品の品番メモを渡すサービスを行っている。これは、顧客に帰宅後に再度購入を検討させるための取り組みだ。試着した商品を購入しなかった理由にもよるが、他の商品と比較したいといった理由の場合には、品番が分かっていると後にオンラインショップから購入しやすくなる。

さらに、オンラインショップで見た商品を実店舗で試着してから購入したいという顧客には、指定の実店舗に希望の商品を届けるというサービスもある。これは、インターネット通販のハードルを下げるための取り組みでもあるが、顧客は実際に商品を手に取って確認してから購入でき、店頭でコーディネートの提案を受けることも可能になる。また実店舗にとっては、他のアイテムの追加購入を促すチャンスが生まれる。このサービスは、オンラインショップから実店舗へ顧客を誘導する役割を果たしている。

ユナイテッドアローズは、こうして実店舗とオンラインショップそれぞれのメリットを活かし、相乗効果を得ることで売上高の向上に成功。そして、同時に実店舗とオンラインショップとが連携したサービスを受けられるブランドとしての信頼感も得られたのである。

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