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【インナーブランディングの成功事例】本音を言い合える環境が会社を変える

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2019.12.12

文責 : 一筆太郎

この記事のポイント

創業者・中内俊三氏の退任で経営状態が悪化

本音で話すミーティングで、幹部たちに真の「対話」が生まれる

対話から生まれたブランドビジョンが社内に浸透し、経営改善に成功

ポラスグループは、1969年に創業以来、飛躍的に成長した複合大企業だ。その成長の裏には、創業者である中内俊三氏のリーダーシップと優れた経営力があった。

順調に成長を遂げていたポラスグループが存続の危機を迎えたのは、1999年以降のこと。それまで企業を統率していた中内氏が病に倒れて一線を退くと、経営状態が悪化。当時の経営陣の誰しもが、大きなリーダーシップを失った喪失感に苛まれていた。経営状態の悪化は、経営陣の創業者に寄せていた信頼感の表れでもあった。

そんな中、ポラスグループは2001年に行われた幹部ミーティングを境に大きな転換期を迎える。この幹部ミーティングこそが、ポラスグループのインナーブランディングを成功させる鍵になったのだ。

ミーティングは、当時の幹部がそれぞれに抱える不満や思い込み、不安を明らかにすることが目的だったが、長い話し合いと創業者へ宛てた手紙により、それぞれが自身の本音を認識し、それまでのことを悔い改めることになった。互いが本音を明かしたことで、創業者が不在である状況を前向きに捉え、自分達の力で乗り越えようという意識が生まれた。そして、それまでなされなかった「対話」が生まれたのだった。

2002年から、ポラスグループはブランドビジョンの構築のためにチームを編成。「本音を言い合える未来づくり」を目標に掲げ、形式に従うのではなく、創造的な議論を長時間にわたり徹底的に行う。完成したブランドビジョンは、会社の未来に対して求めるものとしてチーム全体が一致したもの。自分達で描いた会社の新たな未来は、誇りに満ちた輝かしいものに他ならなった。社内への浸透にはさほど時間を要することもなく、ポラスグループの社員はその実現に向けて一丸となって取り組んだ。

こうして、ポラスグループは創業者の想像以上の企業へと成長した。インナーブランディングの成功にはさまざまな秘訣が挙げられるが、そこには、会社の舵取りを行う幹部の意思統一が欠かせない。ポラスグループの取り組みは、それを明確に示す事例となるだろう。

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