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【IPOの成功事例】5期連続赤字でIPO。それでもSansanがストップ高を記録した理由

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2019.10.21

文責 : 一筆太郎

この記事のポイント

名刺管理サービスSansanは、6年連続で市場シェアNo.1を獲得

莫大な宣伝広告費により5期連続赤字の状態でIPOを実施

市場拡大後のインパクトと膨大なデータ活用への期待が後押し、終値ストップ高を記録

クラウド型名刺管理サービスを提供するSansanは、2007年に創業した新進気鋭の企業。

ニッセイ・キャピタルやゴールドマン・サックスなどから計100億円以上の資金調達を得るなど、数あるベンチャー企業の中でも破竹の勢いを見せている業界注目のスタートアップだ。
 
 
Sansanの主な事業ポートフォリオは2つ。

主軸の「Sansan」は企業の名刺をクラウド上で一括管理し共有するサービス。

2018年の段階で導入企業は7,000社業界シェアの82%を占め、6年連続業界No.1を獲得しているという。

現在、名刺管理サービスの市場規模は100億円を超えており、国内外にサービス展開をしている。業界業種関係なくビジネスにおける基礎インフラとして今後も市場拡大の可能性が十分に見込めることが、大手ファンドが巨額の投資を行なっている理由の一つであろう。
 
 
さらに、Sansanの機能を発展させたのがもう一つの事業である名刺アプリ「Eight」。

このアプリは名刺を受け取った空いてに対してメッセージ交換が行えるなど、ビジネスにおけるSNSのような役割を持つサービス。新たなビジネスのプラットフォームとして注目を集め、すでに200万人以上が利用している。
 
 
売上高は2014年が12億8900万円だったのに対し、2018年には73億1800万円に到達。

毎年50%以上の増益でビジネス拡大を続けてきた。

その一方、純利益を見ると2018年から過去5年を遡って見ても一度も利益が出ていない

その大きな理由はテレビCMなど大々的なプロモーションに力を注いでいるため、販売管理費が莫大な金額に上っていることが挙げられる。
 
 
そして2019年5月、同社は5期連続赤字の状態で東証マザーズへのIPOを成し遂げた

その結果、なんと公開価格が4500円なのに対し、初値は4760円、終値は5460円のストップ高を記録。時価総額は1634億円にまで到達した。
 
 
赤字続きの企業でありながらIPOで成功した背景には、彼らの莫大な宣伝広告費用が名刺管理サービス市場のパイ自体を拡大することに貢献しているからだろう。

そして、市場規模が拡大すればするほど、シェアNo.01のSansanの市場インパクトは強力なものになっていく。

また、ビジネスインフラとしての可能性のみならず、その先には膨大なユーザーデータを活用したマッチングビジネス事業などへの展開が期待できるからに他ならない。
 
 
CFOの橋本宗之氏が黒字転換について「タイミングは近いところにきている」と述べたように、黒字化への道筋が見え、また黒字転換した後のポテンシャルの高さが評価されたことが、同社のIPOが成功した理由だと言えるだろう。

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