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ユニクロは価格競争からどう脱却したのか【フランカー・ブランドの成功事例】

CATEGORY : ブランディング成功事例

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UPDATE : 2018.11.12

文責 : 松山響

この記事のポイント

GUを価格競争に参入させて競合を圧倒。ユニクロは安いイメージからの脱却に成功

フランカー・ブランドとは、自社の既存ブランドが競争相手から攻撃を受けた際に、それに対処できるような対抗ブランドを立てて、本来のブランドを守るようにすることである。

例えば競争相手が自社の既存ブランドの類似商品を低価格で投入してきたような場合,それに対抗できる低価格の新製品を別ブランドとして投入するような戦略である。

GUを価格競争に参入させて競合を圧倒。
ユニクロは安いイメージからの脱却に成功

ファーストリテイリングのGUは今でこそ、トレンドを取り入れた自由なファッションが安心品質と低価格で楽しめるブランドとして、業界において確かな地位を確立している。

しかし、もともとはユニクロのフランカー・ブランドとして生まれたブランドではないかと言われている。

当時、ユニクロはファストファッション業界のトップランナーとして君臨していたが、大手スーパーをはじめとする様々な競合がユニクロと同等の商品を低価格で販売するようになる。

このままいくとユニクロは価格競争に巻き込まれる。そこで、新たにつくった低価格ブランドがGUだったのだ。
 

GUはユニクロよりも低価格で、競合他社の製品と同じようなコンセプトを持つ。
 
一方、ユニクロは高品質な素材へのこだわりや、ヒートテックをはじめとする機能性に優れた商品を訴求。「品質に優れたリーズナブルなLifewear」というポジションを新たに確立した。

競合との価格競争はGUが担い、990円ジーンズを始めとする激安アイテム、全国への大量出店と大量販売、スクラップ&ビルドによる効率化を推進し、競合の進撃を見事に食い止めた。

そして、ユニクロは「安い」だけのイメージから脱却し、「機能性」や「高品質」のイメージを作ることに成功。競合との差別化によって売上はさらに倍増したのだ。

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