1950年にマサチューセッツ州クインシーで創業したダンキンドーナツ。
今や世界中に11,300店舗以上を展開する、世界最大のドーナツとコーヒーのチェーン店となっている。
2018年9月、同社がリリースしたニュースは、少なからず世界の人々を驚かせた。
それは、長年親しまれてきた名前を「ダンキン」に変更し、「ドーナツ」の部分を削除するというもの。
ロゴからは見事に「DONUTS」の文字が取り除かれ、「ダンキンドーナツはドーナツを売るのをやめるのか?」と心配する声も挙がった。
ダンキンからの公式プレスリリースでは、社名およびロゴから「DONUTS」をなくした理由をこのように発表している。
新しいブランディングは、優れたコーヒーを高速で提供することに同社がフォーカスすることを示したものである。同時に、1973年以来使い続けてきたピンクとオレンジの色、そして象徴的なフォントを保持することで、ダンキンの伝統が受け継がれることも意味する。
彼らは以前から、同社のコーヒーが軽視または無視されていることを気にしていた。
その証拠に、2000年代初頭にダンキンドーナツのロゴにはコーヒーカップのイラストが足されたのである。
一般的に、ロゴはシンプルであればあるほど良いとされる。
その定説からすれば、イラストを付け加えたロゴはいささか説明的で、「不幸な付属物」と揶揄されることもあった。
今回の変更でイラストはなくなり、ドーナツもなくなってダンキン史上最高のシンプルさを手に入れたことになる。
これはロゴ変更とともにダンキンが発表した動画。
ダンキンにはドーナツだけでなく、ベーグルやサンドイッチ、コーヒーやエスプレッソだってある。
「DUNKIN’ ENOUGH SAID」
まるでドーナツの呪縛から解放されたように、「DUNKIN’」は自由に生き生きとしているように感じなくもない。
なお、彼らはDUNKINをさらに「DNKN」に省略することも目論んでいるようだ。
ドーナツのみならず母音までなくそうとする大胆さは、吉と出るか凶と出るか?
少なくとも、DNKNのパッケージは「クールで美しい」という評判を得ているようだ。