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ブランディングという商品はない、から始めよう。

CATEGORY : 今日の一筆

UPDATE : 2018.12.30

文責 : 一筆太郎

すっかり年末。住宅街では大掃除をしてる家を見かけ、正月飾りがつけられて、東京の道路から車が一気にいなくなった感がありますな。
 
今年の8月2日にSINCE.を立ち上げて、もうすぐ5ヶ月が経ちます。早いような、まだ5ヶ月しか経ってないのかと感じるような。今年も怒涛のように過ぎていく日々でございました。
 
ブランディングにフォーカスした会社を立ち上げてみて、わかったことがたくさんあります。小さなところでは、ブランディングという言葉の定義ってあるようでないとわかったこと。ブランディングってなに?と思う人が僕を含めてたくさんいますが、ブランディングというのはこれというものではなく、いろんな方がああいうこういうが集まってできているようなものなのです。だから、権威のある人や声の大きい人がいうところのブランディングがブランディングなのだというイメージになってきます。となると、ブランディングを学ぼうと思っている人がいたとして、教える人がどういう意味合いでブランディングを語っているかを見極めないと、あらぬ方向のブランディングを学ぶ羽目になるということだってあるわけです。僕が直接話を伺ったものだけでたくさんあって、ブランディングとは安いものを高く売る手段だ!とか、ストーリーであるとか、ブランディングとはすなわち言葉であるなどなどいろいろな解釈を伺い知ることができました。
 
僕はブランディングというのは大変すごいものだと思っていたので、定義はそれぞれでやればいいんだとわかったときは少し拍子抜けでしたが、逆に、もしかしたら僕がブランディングの定義というかイメージをつくるチャンスがあるんじゃないかと思ってしまったりして、ブランディングに対する興味は深まるばかりなのでした。
 
小さなところでは、なんて言っておきながら、あんまり小さな話に聞こえなくなってまいりましたが、一方の大きなところ。これがびっくりというか大問題なのです。
 
それは、ブランディングという商品を買い求める顧客が見当たらないことでした。どういうことかというと、僕はブランディングの会社を立ち上げたわけですから、もちろん商品というか提供するものはブランディングなわけです。だのに、売り物はあるのに、それを欲しいと思う客がいないのです。例えば、ブランディングどうですか〜と丸の内で大声をあげてみたところで、一つくださいなと言ってくる人などいやしません。これがバナナいかがっすか〜だとしたら、バナナほしいかもと思う人はいるかもしれません。
 
なぜ欲しいと思わないのか?一つは、ブランディングはバナナでいうところのフルーツです。つまり、カテゴリーネームです。フルーツいかがですか?と言われたら、フルーツの何?って思うでしょう。欲しいには直結しにくいということがあります。もう一つは、ブランディングと聞いて想起できないという問題です。バナナと聞けば色や形や味なんかが頭の中に浮かぶでしょう。それに比べてブランディングときたら、クエスチョンマークが浮かんでしまう人がほとんどでしょう。
 
インターネット社会となった現代、想起されないものを売るというのはとても難しいことです。検索ワードになんて入れたらいいかわからないものは売れにくいのは当然です。僕はブランディング会社と名乗っておきながら、商品はブランディングであってはならず、健康食品会社でサプリを売るように、多くの人が想起できる商品を開発して、そちらを売っていくことが必要だったのです。
 
ただ、カテゴリーブランドとしてブランディングというワードは強いものなので、ここのポジションどりはしっかりしつつ、ブランディングという商品で勝負するはなく、ヒット商品を生み出すことが大事だということが、ブランディング会社を立ち上げてすぐにわかったことでした。

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