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重要なのは「よい品質」より「よいイメージ」

CATEGORY : 今日の一筆

UPDATE : 2018.11.27

文責 : 一筆太郎

僕が映画の現場にいた頃は、まだフィルムで撮影をしていた。
 
フィルムはそれ自体が高価だし、現像してみないと撮れているのかわからない。だから、現場はワンカットワンカット異常に集中していた。僕は演出部のサードでカチンコを鳴らす係りだった。
片手で鳴らすこともできない状態で
 
「よーい、・・・アクション!」
 
カチン!!
 
と小気味好く鳴るはずが、
 
カスってしまうことがよくあった。
すると、後ろからケリが飛んでくる。
 
「お前のカチンコの音で絵が決まると思え!」
と言われた。
 
そうしてできた映画の品質は高かったと言えるのかもしれない。少なくともみんながワンカットワンカット異常に集中して、とても丁寧につくられたことは間違いない。
 
 
重要なのは「よい品質」より「よいイメージ」
 
 
これはアル・ライズの言葉だ。
 
「売上を伸ばしたいなら、製品やサービスを改良する必要がある。なぜなら、よりよい製品やサービスが市場を制するからだ。」
このような言葉は経営者の多くが口を揃えて言うことだという。
品質第一というやつだ。
 
 
品質は大事だ。まちがいない。だけど、品質が一番なのだろうか?
 
 
たとえば、ベンツとBMWでは品質にどんな違いがあるのだろう?
イメージは、ステータスシンボルとしてのベンツと走りのBMWである。
 
この二つを車の性能で選ぶ人がどれだけいるのだろうか?もちろん、その違いがわかる人は多いだろう。僕もAMG C63とM5のエンジン性能の違いを語りたくなる気持ちはよくわかる。
 
 
だが、選ぶときに性能だけで選んでいるのだろうか?ベンツに乗っているのとBMWでは他人からの見られ方が変わる。子どもの送り迎えで使うときは他の保護者の目がある。そういった観点は決して無視できないのではないだろう。
 
 
たとえば、パナソニックとシャープの電子レンジではどうだろう?車よりも家電の方がより女性の意見が強くなるのが一般的だ。「テレビCMで見た」とか「シャープだとは知らないけど、ヘルシオって名前は知ってるし、なんか健康そう」という声が聞こえてきそうだ。パナソニックとシャープの電子レンジにはきっとベンツとBMWのような品質の違いがあるのだろう。技術やサービスが向上し、均質化が進めば進むほど素人にはその違いがわかりづらくなってくるのだ。
 
 
映画だってそうだ。フィルムで丁寧につくられた映画とデジタルで簡単につくられた映画の違いなんて普通ではわからない。観る人にとって、それはおもしろいのか?感動するのか?
 
イメージをつくることが品質を高めること以上に大切なのかもしれない。

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