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福岡市が地方最強の都市になった理由

CATEGORY : ブランディングを本に学ぶ

UPDATE : 2018.11.01

文責 : 一筆太郎

この記事のポイント

世界も認める福岡市はここがすごい!

どうしたら福岡市になれるのか?

福岡市が地方最強の都市になった理由
木下斉著


  
福岡市はすごい!という噂を聞き始めてどれくらい経つのだろう。
  
僕の身近なクリエイターが東京から福岡に拠点を移したとか、あのスタートアップが福岡に本社を構えたとか、いつ頃からか、福岡はなんだかすごいのだ。
  
実際、何がすごいのだろうか?
 
・2017年、野村総合研究所の成長可能性都市ランキング第一位
・2016年、神戸市を抜いて日本五大都市の仲間入りを果たす
・福岡市は政令指定都市の中で最も若者人口が多い
・アジア1位の空港アクセス。コンパクトシティ福岡
・スタートアップ開業率が政令都市で1位
・屋台数日本一
・建設投資伸び率、日本一
 
なんだかよくわからないが、都市が成長している感じがする。
勢いがあるような気がしてくる。
  
住んでる人目線で考えると、なにがいいのかいまいちわからないが、住みたくなる人が多くなりそうなイメージはある。
  
福岡市は、政令指定都市で唯一、一級河川がなく、大量の水資源が必要になる二次産業分野が困難な都市だ。だが、それを負と捉えるのではなく、サービス産業やクリエイティブ・イノベーション分野の誘致に切り替えたことが成長の大きな要因となっている。
   
エンリコ・モレッティは著書『年収は「住むところ」で決まる』の中で「1つのハイテク系産業が創出されると、その都市の非ハイテク分野で5つの雇用が生まれる」と言っている。
  
アマゾンは、第二本社を建設するにあたり、誘致都市を募集した。誘致に成功すると5万人の雇用が生まれること、アマゾンが1ドル投資すると地域経済が1.4ドル地域経済が追加発生することをアピール。230を超える都市が誘致に名乗り出ている。
  
大企業の誘致は地域活性に大きな影響を与えることは間違いなさそうだ。
  
それにしても、なぜ福岡市はこのように独自路線を歩めたのだろうか。
 
本書の中で、金太郎飴のような都市が増殖する中、福岡市が違いを生み出せた理由が書かれている。
  
それは、行政ではなく民間主導で街づくりが行われたこと。
博多と天神と二つのエリアが競争しながら強調したこと。
トライアンドエラーを素早く繰り返すこと。
俺は俺。という周囲に流されず、自分らしさを守ること。
などが挙げられている。
 
だが、僕はそういうことよりも七世紀後半には外交・防衛などを所管する行政機関「太宰府」が置かれたように、日本ではなくアジアを見ていたことがまずは大きいのではないかと思う。
 
また、1972年から15年にわたって市長を務めた進藤一馬が玄洋社の影響を受けていたことも見逃せない。
 
玄洋社は1881年頃から戦後まで活動したアジア主義の思想を持つ政治団体である。日本初の右翼団体とも言われている。戦後、GHQから解散命令を受け、財産なども没収された。
  
玄洋社についての詳細は別の機会に譲るとして、福岡市が独自の路線で世界にも認められる成長都市となったのは日本ではなくアジアという大きな視点で世界を捉え、独自の思想や哲学を持ち続けられたことが大きいのではないかと思う。
 
僕の福岡の仲間たちもやさしいのだが芯があって何かそれに通づるものを感じてしまう。
 
これはちょっと、他の都市が真似をできるようなものではないのかもしれない。

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