継続の大切さを何度も何度も話してくれたのは
友人の順一氏だった。
「あんたは面白い。でも、飽きっぽい。それじゃダメだ。とにかく続けろ。」
事あるごとにそう言ってくれた。
彼は自分で事業をやっていて社長さんなのだが、
「うちの会社は続けてきたからブランドになったんだ。
続けなきゃダメだ。」
何度言われたかわからないが、
何度目かで心に突き刺さった。
僕は自分が何か企画して「こんなのおもしろくない?」と人に話し
しばらくやってみるけど、すぐに飽きて次のネタを探していた。
その繰り返しだった。
自分がブランドになる必要を感じなかったし
僕なんかがやったってと思っていた。
でも、今は違う。
ブランディングと本気で向き合うようになって
ブランドは続けることでしか強固にならないことを知った。
本書はそれをさらにわかりやすく解説&手引きしてくれる。
個人がブランド化することをパーソナルブランディングと呼ぶ。
例えば、テスラのイーロン・マスクは「不可能なことを可能にしてしまう偉大な起業家」というブランドイメージを持っている。
テスラ社が大赤字を垂れ流しているにも関わらず、株高を維持し、資金調達し続けることができるのも彼のブランド力があってこそ。アップルのスティーブ・ジョブズも同様だ。
日本の企業では任天堂がパーソナルブランディングを用いて成功した。スーパーマリオなどの生みの親である宮本茂さんをスーパークリエイターとしてブランディングし、熱狂的なファンを生み出した。
パーソナルブランディングが優秀なのは、コーポレートブランディングよりも広告の費用対効果が高いことにあるという。「アップル」「スティーブ・ジョブズ」「iPhone」と3つのブランド力が最高潮に高まっていた時のアップルは、マイクロソフトに比べ、はるかに低いマーケティング予算で何倍もの効果をあげていたという。
ジョブズだけでなく、ベゾスも孫正義も前澤氏も社長がブランド化することは事業に大きなインパクトを与える。イーロン・マスクが不用意な発言で負債を抱えたことを考えても、影響力の大きさが伺えるだろう。
さらにパーソナルブランドのマネジメントをうまくすれば、マーケティング効率が何倍にも上がるということだ。
では、個人がブランド化するにはどうしたらよいか?
その答えが、アウトプットの継続なのだ。
ただ、闇雲にアウトプットをしてもブランドにはなりにくい。独自性が必要だし、読者をターゲティングする必要がある。そして、改善しながら読者のためにわかりやすいアウトプットを提供し続けること。それが大事だと教えてくれる。