この本にはこんな問題が出される。
私たちは全部の文字を読まないうちに全体を読んでいる。
大事なのは最初と最後の単語が正しい場所にあるかどうかで
途中の順序がどうでも大した問題ではない。
ここにはもっと普遍的な問題が隠されているという。
それは「部分と全体」という問題。
瞳は眼という全体の部分であり、
眼は顔という全体の部分であり、
顔は人物という全体の部分であり、
人物は社会という全体の部分である。
ということは、眼は、顔は、部分であり全体でもある。
私たちが何を部分と見て、何を全体と見るかによって
捉え方は変わってしまうのだ。
違い=差異には2つの基本的な種類があるという。
1つは性質の違いで、もう1つは程度の違い。
性質の違いは話題になっている事柄の根本の部分に基づく。
例えば、とても精巧に作られたマネキンは人間とそっくりだが、
2つは根本的に質の異なるもの。
一方、湖と水たまりの違いは水が溜まっている量の違い、
つまりは程度の違いでしかない。
私たちが同じだと思っていることは
実は危ういもので、それほど正しくもないのだという。
この他にもたくさんのイメージと読み解き方が載っている。
イメージの読み解き方が変わると、世界も変わって見えるかもしれない。