本書はブランド戦略全書という名前が示すように
ブランド戦略に関する幅広い論文が掲載されている。
現在のブランド論の現状を展望することが目的となっており
以下のような目次で展開されている。
第1章 ブランド論の過去・現在・未来
青木幸弘
1 ブランド研究の歴史とブランド概念の変遷
2 ブランド構築における価値と関係性
3 ブランド論の新たな地平を求めて
第2章 ブランドと経営学の接合
阿久津聡
1 戦略的ブランド経営の枠組み
2 戦略的ブランド経営がもたらす5つのインパクト
3 ソーシャルエコノミーにおけるブランド経営
第3章 ブランド・リレーションシップの戦略
久保田進彦
1 ブランド・リレーションシップの理解
2 ブランド・リレーションシップの特徴的効果
3 ブランド・リレーションシップの戦略
第4章 ブランドパワーをいかに測定するか
萩原雅之・上田雅夫
1 実務におけるブランド測定の現状
2 ブランド力の測定
3 ケーススタディ
第5章 BtoBブランドの展開
余田拓郎
1 BtoB購買におけるブランドの位置づけ
2 マネジメント対象としてのBtoBブランド
3 BtoBブランドの新たな潮流
4 BtoBブランディングの実践に向けて
第6章 セールス・プロモーションによるブランド構築のメカニズム
松下光司
1 セールス・プロモーションが消費者に与える2つの影響
2 セールス・プロモーションに関する質的効果研究
3 セールス・プロモーションの質的効果のメカニズム
第7章 2つの地域ブランド論 その固有性と有機的結合
小林哲
1 地域ブランディング ー海外の地域ブランド研究
2 地域ブランディングの特徴 ービジネス・ブランディングとの比較
3 地域産品のブランディング ー日本の地域ブランド研究
第8章 プライベート・ブランド戦略 巨大流通チェーンのPB戦略とブランド・パワーシフト
陶山計介
1 食品PB市場の概況
2 二大小売チェーンによるPB開発戦略
3 メーカーと小売業の新たな競争・提携関係の枠組み
第9章 知財視点のブランド・マネジメント 商標法・不正競争防止法で保護されるための「出所」表示
足立勝
1 商標法・不正競争防止法による保護
2 ヨーロッパおよびアメリカにおける出所(Origin)とは
3 「出所」とは何を意味するのか
第10章 ブランドの歴史
田中洋
1 先史ブランド ー前史時代
2 原ブランド ー有史以降の古代
3 前近代ブランド
4 近代ブランド
5 現代ブランド
【ケース1】 グローバル・ブランドの戦略的要因 サムスン電子の5つの革新期を超えて
徐誠敏
1 サムスン電子の競争力の発展プロセス
2 李健煕CEOブランドがもたらす戦略的競争優位性
3 新興国市場における地域密着型ブランド構築戦略
【ケース2】 事業環境の変化とブランド・マネジメント 横河電機IA事業部の挑戦とその後
本庄加代子
1 ブランドの草創期
2 “その後”のブランド戦略 ー2009〜2013年
個別の論文については別途記事にする。