ある商品やサービスが、特定の市場の中でどのくらいの売上高を占めているかを示す比率のこと。
主に市場の総売上高に対する個々の企業（または特定の商品・サービス）の売上高が占める割合によって計算される。単純な市場のみならず、期間やエリア、商品カテゴリーなどセグメントを切って計算する場合もある。
マーケットシェアは市場構造を判断する指標になり、自分たちのブランドの強みや弱みを把握する基準にもなる。新商品。サービスを開発する際は、マーケットシェアを参照して、市場動向の把握や自社の市場でのポジション、市場の将来予測などを行うことが多い。
なお、マイケル・Ｅ・ポーターは、マーケット・シェアについて企業のポジショニングを４つのタイプに分類し、３つの戦略を打ち出した。
■４タイプのポジショニング
（１）マーケット・リーダー
充分な経営資材を活用して市場のリーダーとなる戦略を展開
（２）マーケット・チャレンジャー
マーケット・リーダーと差別化を図る戦略を展開
（３）マーケット・フォロアー
上位の企業を模倣しながら市場参入する戦略を展開
（４）マーケット・ニッチャー
市場の中でも特定のセグメントに集中することで小さなマーケットを独占する戦略を展開
■３つの戦略
（１）コスト・リーダー（無差別型マーケティング）戦略
ターゲットとなる市場を一つの統一体として扱い、一つの製品とマーケティングミックスだけでマーケティングを行う戦略
（２）差別化（差別型マーケティング）戦略
ターゲットとなる市場を顧客のニーズにあわせて細分化し、セグメントごとに製品とマーケティングミックスを用意してマーケティングを行う戦略
（２）集中型（集中型マーケティング）戦略
ターゲットとなる市場を顧客のニーズにあわせて細分化し、競争優位性を発揮できるセグメントに的を絞って特定のニーズを満たす製品とマーケティングミックスを用意してマーケティングを行う戦略
マーケット・シェアを決める要因にはこうした明確なポジショニング戦略があり、どのようなポジショニングと戦略を展開するかを決めることがシェアを伸ばす上で欠かせない活動となる。