参入障壁とは新たなプレイヤーがその業界に入ってくることを阻害する要因やその度合いを示す言葉。
参入障壁の「壁」には大きく3つの種類がある。一つ目は、法律。たとえば酒屋や酒造りを新しく開業するには様々な認可が必要であり、そのハードルは高いと言える。一方、飲食店であれば保健所への申請などの手続きさえ踏めば比較的誰でも参入できる。
2つ目は規模の必要性である。例えば繊維業界が右肩上がりだったとしても、繊維業を始めるために必要な設備投資などに莫大な金額がかかるため、参入のハードルは高い。一方、ネットで通販サイトを立ち上げるのは比較的簡単で参入障壁は低いと言える。
3つ目は経営に必要なリソースが既存プレイヤーによって既に独占されているかどうかである。例えば自販機で清涼飲料を販売するビジネスに参入しようとしても、人通りの多い場所の自販機設置に適切な土地は、既に大手の自販機で埋まってしまっている。
参入障壁は新規参入する企業にとっては低いほうが都合よく、既存プレイヤーにとっては高いほうが都合がよい。そのため、参入障壁の低い業界に入ったあとに、自ら参入障壁を高く築くことが戦略の一つとして重要であると考えられる。