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イングリーディエント・ブランディング【ingredient branding】

CATEGORY : ブランディング用語集

UPDATE : 2018.10.23

文責 : 一筆太郎

イングリーディエント・ブランディングは、成分ブランディングや要素ブランディングなどと訳される。また、インブランディング(InBranding)と略称されたりもする。

インブランディングは、歴史の長いマーケティング・コンセプトの一つである。20世紀前半、化学メーカーとして成功したヘキストとビーエーエスエフはインダンスレンという染料とホスタレンという合成物質を独立したブランドとして市場に提供した。しかし、インブランディングは、なんと言っても80年代に現れた「インテル・インサイド」キャンペーンの成功によって明らかになったとされる。

インテルの他にも、ゴアテックスやドルビーなどインブランディングを代表するブランドが存在する。

これらに共通するのは、
・当該部品または成分が十分に差別化されていて、消費者にとって持続的な価値を生み出していなければならないこと。
・当該部品または成分が最終製品の機能にとって中核的役割をしていること。
・川下の工程にある企業も部品メーカーによってなされるインブランディングへの取り組みを支援すること。
・最終製品それ自身も高いブランド価値を求め、その製品提供において差別化を可能にすること。
などが挙げられる。

シマノはインブランディングを成功させた世界を代表ブランドだ。シマノは堺の町工場から自転車界のインテルと呼ばれるまでに急速な成長を遂げた。シマノは70%のマーケットシェアを誇る自転車部品の一流ブランドである。1921年に島野庄三郎が大阪、堺市に創設。堺は鍛冶屋の中心だった。庄三郎は鉄工所の見習いとなり、自身の会社をスタートさせた。当初はホイールをつくっていたが、1956年に変速機の生産をはじめた。10段ギアの変速を可能にするシステムは、さらに改良されアメリカですぐにスタンダードとなる。市場での力を増しながらもシマノは自転車本体をつくらなかった。「決して顧客と競合してはならない」というのが創業者が伝えていた言葉だという。このおかげで、シマノはインブランディングで大きな成功を収めた。

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