Branding Knowledgebase SINCE.

市場志向 【market orientation】

CATEGORY : ブランディング用語集

UPDATE : 2019.04.04

文責 : SINCE.編集部

市場志向とは、市場のニーズを戦略の中心に据える考え方のこと。

ワシントン大学教授のナーバー(J.C.Narver)とコロラド大学助教授のスレーター(S.F.Slater)が、1990年『ジャーナル・オブ・マーケティング』誌で発表した論文が有名。

彼らは、市場志向をさらに細かく3つの考え方に分けて解説している。

(1)顧客志向
顧客に注意を注ぎ、顧客にとっての価値を高めていく志向のこと。

(2)競争志向
競争相手の動向を注視し、自社のマーケティング指針にしようとする志向のこと。

(3)職能横断的統合志向
企業内の部門を超えたコミュニケーションや交流を重視し、組織の創造性を高めようとする志向のこと。

市場志向においては、あらゆるマーケティング活動は、市場調査から始まり、顧客ニーズの実現に主眼が置かれる。

市場志向は現代のマーケティング活動では大前提とも言える考え方だが、一方で市場志向の弊害もある。それは、顧客のニーズを追求しすぎて、社会全体に悪影響を及ぼすということ。物流業界の少量多頻度配送や即日配送などはそのわかりやすい一例だろう。また、現状の顧客の声に耳を傾けることに注力しすぎるあまり、革新性や業界の新陳代謝が起こりにくいというデメリットもはらんでいる。

ご相談ください お問い合わせ