アメリカの経営学者。現代マーケティングの第一人者であり、現在もノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院の教授として教鞭を執る。
コトラーの代表的な功績に「STP分析」の確立がある。「STP分析」は強固なブランドを築き上げるため、自社のセグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)を明確にし、独自性や競争優位性を発見するフレームワークである。
また、エドモンド・ジェローム・マッカーシーが提唱した「マーケティングミックスの4P」を拡張した「サービスマーケティングミックスの7P」を提唱した功績でも有名だ。マーケティングミックスとは企業がコントロールできるProduct(製品)、Price(価格)、Promotion(プロモーション)、Place(流通)のあり方を組み合わせて市場から望む反応を引き出すための戦略ツール。
コトラーは「マーケティングミックスの4P」にpeople(人)・processes(プロセス)・physical evidence(物的証拠)を加えた。それにより、従来の「マーケティングミックスの4P」ではカバーできなかったサービス分野でのマーケティング戦略に対応出来るよう、マーケティングミックスの4P」を「サービスマーケティングミックスの7P」に拡大した。
また、マーケティングの本質について広く理解を得るための活動も行っている。著書『 Marketing Management』(初版1968年、邦訳『コトラーのマーケティング・マネジメント』) は世界中のトップ・ビジネススクールでテキストとして用いられ、大学院の教科書のスタンダードとも言われている。
その他にソーシャルマーケティングと呼ばれる「社会公共志向」のマーケティング理論を体系化したことや、未だに完了していないとされるBtoB領域や地域マーケティングの体系化にも取り組んでいるのだ。
近代マーケティングの代表的な理論の確立や様々なマーケティング分野への体系化の功績が認められ、「近代マーケティングの父」、「マーケティングの神様」とも評される人物である。