マーケットインは、市場のニーズを調査し、汲み取り、商品やサービスを提供する考え方のこと。企業側が売りたいものや製品スペックなどを重視するのではなく、市場が求めているもの、消費者の声に応えるものを作るという発想がマーケットインのポイントである。プロダクトアウトの反意語としてよく用いられる。
一言で言えば、「はじめに顧客ありき」ということ。特に日本は高度経済成長期が「良いものを作れば必ず売れる時代」だった。しかし、1973年の第一次オイルショックを機に経済成長率が低下していき、市場の成熟化や飽和化もあいまって様々な業界で供給過剰の状態が発生する。さらにバブル崩壊後の経済停滞も追い打ちをかけ、「良いものでも売れない時代」が到来。その中で広がったのが、消費者の視点やニーズを重視するマーケットインの発想だ。
マーケットインは失敗しにくい商品開発を実現する一方で、イノベーションや想定外の大ヒット商品が生まれにくいデメリットもある。また、各企業がこぞってマーケットインの商品開発を進めると、商品の差別化が生まれず価格競争に陥るリスクもある。