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ダンバー数【dunbar’s number】

CATEGORY : ブランディング用語集

UPDATE : 2019.06.25

文責 : SINCE.編集部

ダンバー数とは、霊長類の脳の新皮質の大きさと、群れの大きさの間に相関関係があることを提唱した仮説。具体的には、人間には円滑に安定して関係性を良好に保てる人数に限界があり、それは脳の大きさと比例して150人程度であるということ。

イギリスの人類学者・進化心理学者のロビン・ダンバーが1993年に提唱した仮説で、その名前をとってダンバー数と名付けられている。

これは英の人類学者であり進化心理学者のロビンダンバー教授が1989に発表した 有力な仮説です。

この理論の裏付けとなる研究兄ようをもう少し詳しく見よう。

きっかけは猿の社会性の研究であった。猿は毎日グルーミングに多くの時間を割く。これは単なる毛繕いだけが目的ではなく、グループ内の関係を良好に保ち、序列のストレスなどを緩和させる役割がある。いわば社会的なコミュニケーションであると言える。

そして、グルーミングに多くの時間を費やせるグループほど、群れの数は大きく、さらに脳が大きいことがわかった。つまり、群れの大きさは、脳の大きさとグルーミングに避ける時間の2つと相関関係があるということ。

人間はグルーミングを行わないが、神経機序の類似性から会話やおしゃべりといったコミュニケーションが猿のグルーミングに当たることを見出し、猿のデータを人間に当てはめると、安定した社会関係を維持できる人数は約150人であると結論付けたのだ。

この仮説を補強するデータとして、仕事や趣味など様々な集団を調査したところ150人程度の規模が最も安定し活発な活動を行なっていることを示している。また、産業革命以前の集落においても150人の集団が多く、軍隊の基本単位も150人のケースが多く、150という数字の適正を主張する。

この仮説は有力なものであると評価されており、実際に経営戦略の一要素として、企業の部署編成などにも活用されつつある。

有名な事例はゴアテックスのゴア・アソシエイツ社だろう。創業者のウィルバート・ゴア氏は一つの部門が150人以下だとメンバーはひとつのゴールに向かって規律を守って行動するが、150人を超えるとサボる人や規律を乱す人、序列を覆そうとする人などが出現し、関係性を維持するために管理部門を作らないといけないと気づく。そこで、どの部門においても人数が150人を増えたら部門を分割する戦略を徹底しているのだ。

このように、ダンバー数は企業の部門編成やチーム編成などにおいて、活用できる値だと考えられるだろう。

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