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少数の法則【law of small numbers】

CATEGORY : ブランディング用語集

UPDATE : 2019.07.11

文責 : SINCE.編集部

少数の法則とは、サンプル数の少ない偏った情報を、過大評価して一般化してしまう認知バイアス。ノーベル賞経済学者のダニエル・カールマンが1971年に提唱したとされている。

もともとは統計学の「大数の法則」に由来している。大数の法則とは、「同一の試行を無限回行えば標本平均は母平均に収束する」というもの。たとえば、サイコロを無限に回し続けると、出る目はどれも1/6に収束するということである。

一方、少数の法則では、試行(サンプル)の数が少ないがゆえに偏った結果が出ているのにもかかわらず、その結果に基づいて因果関係を推測してしまう傾向を表している。サイコロで言えば、3回サイコロを振ってたまたま6の目が3回連続で出ただけにもかかわらず、「このサイコロは100%の確率で6の目が出る」と結論づけてしまうような状態を指す。

こうした少数の法則を活用したマーケティング施策は意外と一般的に行われている。たとえば、商品・サービスの広告における「お客様の声」や「口コミ」は、顧客の総数のうち一部の意見であるかもしれないのに、その品質全体を保証するものであるかのように表現されるし、受け手側もそのように感じることが多い。

また、ビジネスにおける仮説を立てる際も、少数の法則に陥っていないかを注意深く見る必要がある。たとえば、雨の日に店頭にカラフルな傘立てを置いてみたら来客数がアップしたからといって、「雨の日にカラフルな傘立てを置くと来客数が増える」と結論づけるのではなく、1ヶ月間カラフルな傘立てを置き続けてみるとか、カラフルな他のものを置いてみるなど、様々な側面から検証を行うことでより真実に近づくことができるだろう。

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