コンコルドの誤謬とは、すでに投資していて、どのような意思決定をしても回収できないコストであるにもかかわらず、そのコストを回収するために、その後の意思決定に大きな影響を及ぼしてしまうバイアスのことを指す。
回収できないコストは「サンクコスト」と呼ばれ、将来に関する意思決定をする場合はサンクコストは考慮に入れず、今後の損益をだけを考えるのが合理的な判断とされる。逆にそれまでに費やした資金や労力、時間を惜しんで事業を継続すると、損益がさらに拡大するリスクがある。
しかし、人はつい「投資したぶんを取り返さないといけない」という心理が働き、サンクコストが意思決定に大きな影響を及ぼすことがある。これをサンクコスト効果と呼ぶ。
サンクコスト効果が「コンコルドの誤謬」という別名で呼ばれるようになったのには、有名な失敗事例が関係している。
コンコルドとは、1969年に初飛行を成功させた超音速旅客機。通常の旅客機の飛行高度の2倍もの高度をマッハ2.0で飛行する、唯一の超音速民間旅客機として話題となった。しかし、多額の開発費や宣伝費に対して、定員が少ないこと、燃費が悪いことから、完成する前にこの事業は採算が合わないことが発覚する。しかし、いったん動き出したプロジェクトを途中で止めることができずに運行を開始した結果、当初の予想通りさらなる赤字に追い込まれることになったのだ。
こうした、サンクコストを回収しようとする動きは、ビジネスや公共事業の世界でもしばしば散見される。将来に関する意思決定には、サンクコストを度外視することが適切だろう。