長期的な展望でブランド資産を築いていけるような戦略とビジョンを構築し、体系化していく手法のこと。D.A.アーカーが提唱した新しいブランド戦略である。
アーカーはブランド・リーダーシップの定義をこのように説明している。
「戦略とビジョンを備えたブランド構築概念。短期的な収益を目指したブランド戦術を志向するのではなく、長期にわたって絶対的な資産(エクイティ)となるブランドを目指し、複数の市場や製品を統合するブランド体系化を図る。さらに複数のブランド間のシナジー効果とレバレッジ効果を最大化し、マーケティング戦略を超えた企業資産としてのブランド戦略である」
企業にとってブランドが「見えない資産」として最大の差別化要因となる今の時代に、
ブランド・マネジメントは高い水準で行われる必要がある。
たとえば、売上や利益といった短期的な業績指標だけでなく、
効果測定が難しかったり、
予測不可能な長期的な収益性をもたらす資産の構築にも焦点を当てなければならない。
こういった新しい戦略を実践するための手法としてブランド・リーダーシップは誕生した。
ブランド・リーダーシップを達成するために必要なものとして、
アーカーが掲げた4つの取り組むべき課題をここに記しておく。
・ブランドを構築するべき組織の編成
・戦略の方向性を示す包括的なブランド体系の構築
・主要ブランドのブランド戦略立案(ブランド・アイデンティティとポジショニングの立案)
・効果的で効率的なブランド構築プログラムと、結果を見極めるシステムの開発