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女性や家族で賑わう牛丼屋【ポジショニング戦略の成功事例(7)】

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2019.02.08

文責 : 松山響

この記事のポイント

すき家:「働く男性が安く早く食事できる場所」という牛丼屋のイメージを変えて成功

ポジショニング戦略とは、商品やサービスについて独自の優位性を持つポジションを築き、ターゲットとなる顧客の頭の中に差別化されたイメージを植え付ける戦略のこと。

簡単に言えば、市場における自社製品(サービス)の立ち位置を戦略的に決めることを指す。

すでに成熟しているかのように思える市場であっても、競合分析や消費者の潜在的ニーズを綿密に掘り起こしていくと、まだ誰も手をつけていない鉱脈に辿りつく可能性はある。

すき家:「働く男性が安く早く食事できる場所」という牛丼屋のイメージを変えて成功

長年にわたり、吉野家が独占してきた牛丼業界。しかし、今やその勢力図は変わりつつある。吉野家を追い越してシェア1位を獲得したのが、すき家である。

すき家はどのようにして吉野家に勝る成功を収めたのだろうか。その重要な施策ひとつとして、ポジショニング戦略が挙げられる。

外食産業における牛丼屋のポジショニングは常に「働く男性が安く早く食事できる場所」であった。

そこで、すき家は新しい顧客層を獲得すべく、市場分析を緻密に行い、ファミリー層と女性客を狙ったポジショニング変更を試みる。

牛丼屋が駅前や繁華街などの都市を主軸に展開していたのに対し、すき家は郊外型の店舗展開に力を入れる。これは車を利用するファミリー層を狙ったものである。

さらに、テーブル席を多く設けたり、子ども用の椅子を用意したり、メニューを充実させてヘルシーな牛丼や子ども向けメニューを出すなど、女性やファミリーが利用しやすい環境を整備。

「女性や子どもも気軽に外食を楽しめる牛丼屋」というガラ空きのポジションを開拓することに成功した。

結果として、競合他社よりも幅広い層が来店するようになり、客数も客単価も大幅に向上。業界トップの吉野家の牙城を崩すことができたのである。

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