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12/29
今年の(頭の中の)汚れ、今年のうちに

CATEGORY : 今日の一筆

UPDATE : 2018.12.29

文責 : 一筆太郎

1月は英語とジムの予約が殺到するそうですが、年末は何かと整理したい気持ちが高まるようです。今朝家を出るときに靴を整理して捨てようかなって呟いたら、うちの一恵ちゃんは嬉しそうに「それはいいねぇ」と声を弾ませていました。結局、僕は靴を捨てたりはしないのですが、一瞬でもそんな想いが浮かんで口に出るってことは捨てる方に世の中のエネルギーがググッといってるんですかね、年末というのは。
 
物ってのは月日が過ぎるごとに増えていきがちですが、エントロピーの法則に従えばゴミも一つでれば時間が増すごとに無限に増殖するわけで、でも頭の中ってのは時間が増すごとにパンパンに膨れ上がるようにならないから不思議だなと思うのです。別に毎日まいにち本にかじりついて勉強してるわけではないですから、新しい知識が毎日出て来るゴミのようにたまらないのはわかります。それにしたって、僕のような人間だって毎日新しい人に会って、新しい情報に接します。英語とジムが1月に予約が爆発するなんて去年は知らないことでしたし、ブランディングの会社を始めるのにも新しいことを覚えようとしたわけじゃないですが、ガンガン頭に入ってきました。人の名前はなかなか覚えられませんが、何かしらの情報は残っています。
 
なのに、あー、頭の中のあの知識捨てようかな〜にはならんのです。
 
断捨離という言葉が流行りました。先日、とある方が、奥方が断捨離セミナーに通っているんだと憤っていました。うちに断捨離から封書が届いて、開けてみたらアンケートが入っていたと。やばいと思ってとっさに隠しそうです。その方は断捨離を宗教だと思っていたようで、洗脳でもされているのではないかと心配で憤っていたのです。断捨離は宗教ではないですよ、とその場にいた人たちは諭すように話してましたが、断捨離は強烈に人を支配したと言ってもいいのかもしれません。
 
そんな断捨離ですが、本来、やったほうがいいのは頭の中の断捨離です。芸事の世界では守破離といって、お師匠さんの型を守って、破って、離れろなんて言いますが、断捨離は言葉が示すように断って、捨てて、離れること。離れるのは一番大変なことです。ですが、捨てることによって離すことを強制するというシステムが受けた理由なのかもしれません。難しいことを簡単にやれるのは嬉しいし、誰にでもできれば広まりやすくもなりますし。
 
では、頭の中で断捨離をやったらどうなるのか。まず、離れるために、捨てようとします。例えば、先週のプレゼンで大失敗してしまった記憶が邪魔だとします。言うなれば頭の中のゴミです。よし、捨てようと決めます。それを決めた途端、プレゼンの時の状況がもっと鮮明に蘇ってきます。そもそも資料を出すタイミングが悪かったとか、プレゼンの場所につくのが5分早ければとか、のど飴持ってればとか、プレゼンをした相手から言われた強烈な一言とか、同僚の冷たい目とか、どんどん出ます。
 
頭の中では、捨てると出てしまうのです。なぜだか知りませんが。
 
頭の中では情報の量が増えて溢れかえるというよりも、記憶の引き出しをノックする回数が多ければ多いほど溢れかえるような気がします。思い出さなくていいこと、というか思い出したくないことばかり思い出そうとします。そのゴミのような記憶にノックすればするほど、頭の中はいっぱいになってきます。それは恋をしたときと同じなのでしょう。恋をした時はゴミ記憶ではありませんが、考えると苦しくなるのがわかってるのにノックしてしまう。
 
頭の中の断捨離をどのようにしたらよいのか、残念ながら、僕にはわかりません。きっといい本や情報があるのでしょう。でも、なんとか今年の頭の中の汚れを落として新年を迎えてみたいと思います。

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