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ZARAのロゴがリニューアルされた

CATEGORY : 今日の一筆

UPDATE : 2019.01.31

文責 : 一筆太郎

ZARAのロゴがリニューアルされた。欧米を中心とした海外では、新たなロゴに関して物議を醸し出している。どうやら評判はあまりよくないようだ。ドイツのタイポグラファーでありブレーメン美術大学教授のエリック・シュピーカーマンは「私がここ数年で見た中で最悪のタイプの作品」と言っている。TwitterなどのSNSでも、カーニングがきつくなっただけじゃないか、将来は4つのアルファベットがくっついて一つの黒い塊になるんじゃないか?なんて声もある。GAPのような例にならないといいのだが。
 
ロゴを手がけたのはフランスの大御所アートディレクターであるファビアン・バロンが率いるBaron&Baronである。これまでDiorからCoach、Bottega Venetaと幅広いファッションブランドのタイポグラフィのデザインを手がけてきた。Baron&BaronのウェブサイトではZARAのロゴリニューアルの目的として、小売業をコンテンポラリー・ラグジュアリーの域まで引き上げると言っている。背景にはZARAが高級ファッションブランドの中にポジショニングするという狙いがあるのかもしれない。
 
2018年はサンセリフロゴが最大のデザイントレンドだった。エディ・スリマンがクリエイティブディレクターになってすぐ変更したSAINT LAURENTに続いて、去年に着任したCELINEもサンセリフ体のフォントを使用した。デムナ・ヴァザリアによるBALENCIAGA、リカルド・ティッシが参画したBURBERRY、オリヴィエ・ルスタンのBALMAIN、そしてBERLUTIまでサンセリフ体へ変更している。ZARAもこの業界の流れにうまく乗ったと言えるのかもしれない。
 
それにしても、ZARAは世界に7000店舗以上を展開している訳で、7000の店のロゴを変えるのに一体いくらかかるのだろうか?1店舗あたり300万円の外壁看板施工費がかかったとしても210億円である。この規模の会社のロゴリニューアルプロジェクト予算は途方もない額になるのだろう。また、ファビアン・バロンが手にした報酬はいかほどなのか。クリエイターにとって夢のある話のようにも思える。

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