民泊の世界的ブームを牽引しているAirbnb社は、2017年にテレビCMと連動したInstagramマーケティングで、企業価値を高めることに成功した。
同社は2017年、大々的なテレビCMを展開し、様々な人種の人間が登場する映像とともに、このようなメッセージを発信したのだ。
「We believe no matter who you are, where you’re from, who you love, or who you worship, we all belong. The world is more beautiful the more you accept.」
「あなたが誰であれ、どこから来たにせよ、誰を愛そうと、誰を崇拝しようと、みな仲間だと信じている。私たちが寛容であればあるほど、世界はもっと美しくなる」
そして、同社のInstagramの投稿欄は通常、世界各地の魅力的な宿泊先の写真で埋め尽くされているが、今までとは全く違った趣向の写真、つまりCMに登場した人たちの写真を「#WeAccept 」というハッシュタグとともに掲載して世界的な注目を集めた。
当時、トランプ政権が誕生して入国禁止令をはじめとする移民に対する厳しい政策が打ち出され、移民たちは大きな不安を抱えていた。それに対し、Airbnbは人種や宗教・文化の多様性に寛容な立場を表明したことになる。
これをきっかけに同社のInstagramフォロワー数は激増し、世界中のユーザーをInstagramでつなぐことに成功。企業の社会的な価値を高めながら認知度向上とユーザー数の増加という結果にも結びつけることができたのだ。