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EC界の強者、アパレル界の強者を買収してバリューアップ!
【ブランドM&Aの成功事例】

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2020.02.04

文責 : 一筆太郎

この記事のポイント

アパレルに展開したいEC企業と、EC事業を強化したアパレルがマッチング

EC×実店舗の掛け合わせでバリューアップ!

アパレルに展開したいEC企業と、EC事業を強化したアパレルがマッチング

デザイナーの深民尚氏が手掛けるメンズブランド「ダイエットブッチャースリムスキン(以下:ダイエットブッチャー)」の運営会社である「メタルバーガー」は、2018年に「インスタイル(INSTYLE)」グループに加入した。

実質、「ダイエットブッチャー」というブランドが、インスタイルグループの傘下に入った形だ。

インスタイルは、ECを武器に飲食やコスメ、芸能、ITなどの事業を広く手掛ける企業である。

しかし、それまでアパレル業界には未着手であった。

一方、ダイエットブッチャーのオリジナルラインは、音楽にインスパイアされたデザインで音楽業界への影響力は強く、デザイン性の高さからファッション感度の高い層の熱い支持を得ていたが、その発信方法はおもに展示会での新作発表などのアナログ的なもの。ECビジネスにおいては、弱者であることは否めなかった。

そこで、両者は互いの強みを共有するためにM&Aを行った。
 
 
 

EC×実店舗の掛け合わせでバリューアップ!

インスタイルは、ダイエットブッチャーを自社ブランドとして、もともと得意としているEC構築のノウハウを活かした新たなビジネスを展開できる。

ダイエットブッチャーとしては、デザイナー深民氏を「経営者とデザイナー」を兼任する立場から解放し、アーティストとしての活動に専念させることができる。デザインセンスが顧客提供価値であるブランドだららこそ、この体制変更で得られるメリットは小さくない。
 
 
インスタイルグループへの加入によって、メタルバーガーは「DIET BUTCHER SLIM SKIN」に社名変更し、中目黒と名古屋にある店舗名をそれぞれ「DIET BUTCHER SLIM SKIN nakameguro」と「DIET BUTCHER SLIM SKIN nagoya」に変更した。これは便宜上の名称変更に過ぎない。

EC構築などをインスタイル側が担うということ以外、社内体制に大きな変更が生じることはなかったようだ。
 
 
その上で、インスタイルは青山の骨董通りにダイエットブッチャーの旗艦店「DBSS青山」を出店した。

月額85,500円(税別)で毎日1コーディネートをレンタルできるサービスも開始し、反響が高まっている。

レンタルサービスはECでも展開し、その利便性から多くのファンを増やした。一方、ファッションセンスが高い精鋭スタイリストからのアドバイスが受けられる実店舗でのレンタルも利用価値が高く、ECと実店舗の双方をうまく使い分ける顧客もいる。

こうした既存ブランドと新しい業態の融合こそ、M&Aのメリットの1つである。

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