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「安い」と「高単価」を両立させる方法
【ブルーオーシャン戦略の成功事例(2)】

CATEGORY : ブランディング成功事例

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UPDATE : 2018.12.03

文責 : 松山響

この記事のポイント

QBハウス:理容室や美容室のサービスから徹底的に無駄を省いて成功

ブルーオーシャン戦略とは、競合のいない新しい市場を創造し、高付加価値商品・サービスを低コストで提供することで、利潤の最大化を実現する戦略のこと。

既存の競争が激しいレッド・オーシャンで商品・サービスを提供するのではなく、いかに競合がいない未開拓の市場=ブルー・オーシャンを発掘するかがこの戦略の鍵である

理容室や美容室のサービスから徹底的に無駄を省いて成功

QBハウスは平成8年創業の理髪店。言わずもがな「10分1,000円カット」で低価格理髪店というブルーオーシャンを開拓した企業である。

彼らがすごかったのは、理容室や美容室のサービスから徹底的に無駄を省いた点にある。

理髪店にありがちなシャンプーや髭剃りは取り除き、提供サービスはカットのみ。カット後も席で吸引機で髪を吸い取るだけ。店内には電話をおかず、予約は一切とらない。

また、従業員の時間に対する意識を高めるために、給与は「分給」で計算されているという。

洗面台やドライヤーなどの設備投資はもちろん、敷地も狭くてよいため、通常の理髪店よりコストがかからない。地下街やショッピングセンターのトイレの脇など、家賃が安い場所を選んで出店しているのも特徴だ。

しかも、10分で1,000円ということは、1時間あたり6,000円の売上。通常の理髪店が1時間で3,000~4,000円と考えると、時間当たりの単価は高いことがわかるだろう。

そして、顧客にとっては安い金額で早く髪を切ってもらえるメリットがある。10分1,000円のため、もともとの期待値も高くない。理想の髪型にしてもらいたいというよりは、とにかく髪をすっきりさせたい、時間とお金をかけずに髪を切りたい、というニーズを満たしてくれる存在である。

こうした理由から、時間をかけられないサラリーマンを中心に大流行。低コストと高単価を実現しながら、
安い、早い、無駄な会話がない、といった要素がターゲットにとっては高い付加価値となった好例である。

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